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我武者羅
「我武者羅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
我武者羅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を引きつけているときは、兄対馬守とはまた別の、一風変わった貫禄がそなわっていて、
我武者羅な若々しいなかにも、着飾った競馬馬のような男性美があふれるのですが。 ....
「刻々」より 著者:宮本百合子
彼等は一時に折り重り、殴る蹴る。間に、一人がステッキを口へ突込んで吐かせようと、
我武者羅《がむしゃら》にこじ廻したのだそうだ。 「今市電が立ちかけてるのよ、残念....
「道づれ」より 著者:宮本百合子
家みられて……」 ひどく、しゃくり上げる声がして、もっと何か云いながら裏口から
我武者羅《がむしゃら》に駈け出す物音である。 「なアにをしてる……」 父親が立....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
げて、地頭の謡を我流でマゼ返すので百姓一揆みたいな地謡になっちまう。その無鉄砲な
我武者羅なところが喜多流だと思って喜んでいるのだから困りものですよ」 又、梅津....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
記録を読んだ直後であった。巡礼者の大群はアラビヤの沙漠を横断して、聖地へ向って、
我武者羅な旅行をはじめる。信仰の激しさが、旅行の危険よりも強い。そこで、食料の欠....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
いらして、将来を嘱目されているとか聞いております。でもわたくしとしましては、あの
我武者羅な押しの強い人柄を、あまり好きではございません。 清さんは黙って俯向い....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
から、ちょっとの不利にも自ら過大にシマッタと思う気分の方が強くて、不利な体勢から
我武者羅に悪闘してあくまでネバリぬく執拗なところが足りないのだ。シマッタと思うと....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
ているために、実際よりは非常に小さく見えて、グロウヴスは、その、はらはらするほど
我武者羅に近づきつつある船を、自船と同じ位いの大きさの、精々五、六千噸の貨物船だ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
ぎ》る度《たび》ごとに見得《みえ》も体裁《ていさい》もかまわず人を突き退《の》け
我武者羅《がむしゃら》に飛乗る蛮勇《ばんゆう》がなくてはならぬ。自らその蛮勇なし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ど、最後の断についての命を待っているのであるまいか。 事が事である。――いかに
我武者羅な能登でも、島後から「いざ」という一使がやって来ぬうちは手を下すことも出....