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「戒厳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戒厳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
しい通信を書くことも出来なかろう、と思い直しては自己《おのれ》を制《おさ》えた。戒厳令《かいげんれい》は既に布《し》かれ、巴里の城門は堅く閉され、旅行も全く不可....
去年」より 著者:伊藤左千夫
の出入往来を厳禁し、家々においてもできる限り世間との交通を遮断している。動物界に戒厳令が行なわれているといってよい。僕はさいわいに危険な位置をいささか離れている....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
られた昨夜来の、米国空軍の暴虐振りに対して、どうにも我慢ができなかったのだった。戒厳令下に、銃剣を握って立つ、歩哨たちも、横を向き、黙々として、声を発しなかった....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
「――街ンなかを通る時にゃ、女をすっぼり頭からくるんどかないと、今日びの物々しい戒厳では、一寸、仕事がむずかしいからな。あのカーキ服の歩哨に猿轡をはめた女が見つ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
をもって任ずる千余人の薩摩の精兵が藩主に引率されて来た時は、京都の町々はあだかも戒厳令の下にあったことをも知らせて来た。しかし半蔵は何事も父の耳に入れなかった。....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
れんかね」 「はい。どういうわけか、まだ現われません」 「もう現われる頃じゃ、警戒厳重にな」 「はい」 「苅谷氏に会ってみたい。案内してくれんか」 「はい。どう....
地球要塞」より 著者:海野十三
要塞は、外部より何者といえども、絶対に侵入するを許さざる建前《たてまえ》により、戒厳令中《かいげんれいちゅう》は、たとえ黒馬博士なりとも、ベトンを越えて日本要塞....
言いたい事と言わねばならない事と」より 著者:桐生悠々
空気は、その反動として如何にも明朗になって来た。そして議員も今や安んじて――なお戒厳令下にありながら――その言わねばならないことを言い得るようになった。斎藤隆夫....
三十歳」より 著者:坂口安吾
一しょに竹村書房へも手紙をだした。数日後、竹村書房へ行ってみると、その手紙が戒厳令司令部のケンエツを受けて、開封されているのだ。 してみれば矢田さんへ当て....
中庸」より 著者:坂口安吾
をまとって、禁止区域に立入る者は容赦なく撃滅の覚悟をかためていたようである。 「戒厳令下だね」 と余が呟くと、 「不謹慎な。口をつつしみなさい。元軍人とも思わ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
「ヤ。失敬。デップリした洋服の西郷さんに、よろしく」 と、ひきさがった。こう警戒厳重では、単身では手が廻らない。明日はカバン持ちの戸田を助手に使って、放二の社....
裏切り」より 著者:坂口安吾
ません。 そういうわけで、日野が彼に友情を示しはじめた当座のうちは、セラダは警戒厳重をきわめていました。ビフテキと女をまきあげられた野郎めがなんのために友情を....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
》は大《おおい》に興じきっと小兎が出来るのだろうと言った。三太太は子供等に対して戒厳令を下し、これから決して捉まえてはなりませんぞという。わたしの母も彼等の家族....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
との方が実はむつかしいことなのだ。 死刑囚が脱獄したというので、その夜の東京は戒厳令下のような物々しさであったらしいが、翌日事も起さずに京都で縛についたのはお....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
が、拳銃だの、銃剣づきの鉄砲を持って市中を見廻っているので、何となくいつも全市が戒厳令下にあるような気がするということや「ジェスフィールド」という公園と「新公園....