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「戒名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戒名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
京の町をしずしずと練っているのである。 僕の母の命日は十一月二十八日である。又戒名は帰命院妙乗日進大姉である。僕はその癖僕の実父の命日や戒名を覚えていない。そ....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
蝋燭《ろうそく》など思い切った寄進をした。その代り、寝覚めの悪い気持がしたので、戒名《かいみょう》を聞いたりして棚《たな》に祭った。先妻の位牌《いはい》が頭の上....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
浪にことわって仏壇から過去帳を出して繰ってみると、月の四日のところに釈寂幽信士と戒名が見えた。新兵衛が両国の川へ毎月放し鰻をするというのは四日である。この四日の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のそばに新らしい卒堵婆が立っているのを見つけた。卒堵婆は唯一本で、それには俗名も戒名も書いてなかったが、きのう今日に掘り返された新らしい墓であることはひと目に覚....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ただしく逝った。あんな善人に、天はなぜ寿命をかさないのかと、私は恨めしく思った。戒名は佑光良円居士。 ◯私の病体は、一応落着いていたように見え、四月にちょっと失....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ありません。菩提寺の和尚様は筆を執って、仏の左右の腕に彫られている位牌と石塔とに戒名をかいて遣ったということです。 雷見舞 一 六月の末であった....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
りをしていますわ。 早瀬 樹から落ちた俺の身体だ。……優しい嫁の孝行で、はじめて戒名が出来たくらいだ。俺は勘当されたッて。……何をお前、両親がお前に不足があるも....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
れを見当に辿りつくだろうと思うよ。山路に行暮れたも同然じゃないか。」 碑の面の戒名は、信士とも信女とも、苔に埋れて見えないが、三つ蔦の紋所が、その葉の落ちたよ....
縁結び」より 著者:泉鏡花
張の切籠は、ここへ来て、仁右衛門|爺様に、アノ威張った髯題目、それから、志す仏の戒名、進上から、供養の主、先祖代々の精霊と、一個一個に書いて貰うのが例でね。 ....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
者に問えば知らずと答うと、高慢な顔色をしても可いんですし、名を知らない死んだ人の戒名だと思って拝んでも可いんですよ。」 ようよう声が出て、 「戒名、」 と口....
夜の構図」より 著者:織田作之助
前に死んだ。死んでしまうと、女の美しいところばかりが想出として残った。女の写真と戒名と、そして美しい想出――それだけで女を想い出していると、もうその女が何人もの....
迷信解」より 著者:井上円了
い、本人に相違なければ、いよいよ変死を遂げたるものとし、寺僧を聘して引導を頼み、戒名をもらい、追善の法事までも営み、かれこれするうちに百カ日になりたれば、さらに....
叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
にゆくこと例のごとし。 渡り鳥仰ぐに痛き瞳かな 白木の位牌を取り納めて、英一の戒名を過去帳に写す。戒名は一乗英峰信士、俗名石丸英一、十八歳、大正九年十月九日寂....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
を取った和尚さんであるが、立派な風采をした男である。梵語のお経を長々読んだ後で、戒名をつけてくれた。 「崇徳院慈厳叡智大居士」 このお坊さんは松島に戒名の説明....
父の葬式」より 著者:葛西善蔵
」会計や事務いっさいを任されてきた弟の窶れた顔にも、初めて安心の色が浮んだ。 「戒名は何とか言ったな?……白雲院道屋外空居士か……なるほどね、やっぱしおやじらし....