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戒行
「戒行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戒行の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
「不肖ながら道命は、あらゆる経文論釈に眼《まなこ》を曝した。凡百《ぼんびゃく》の
戒行徳目《かいぎょうとくもく》も修せなんだものはない。その方《ほう》づれの申す事....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
うもの》じゃ。天魔には世尊御出世《せそんごしゅっせい》の時から、諸悪を行うと云う
戒行《かいぎょう》がある。もし岩殿の神の代りに、天魔があの祠にいるとすれば、少将....
「老狐の怪」より 著者:田中貢太郎
志玄という僧があったが、
戒行の厳しい僧で、法衣も布以外の物は身に著けない。また旅行しても寺などに宿を借ら....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
の名倉弥次兵衛に診察してもらうと、名倉がこういったそうである。お前さんは下戸で、
戒行が堅固で、気が強い、それでこれほどの怪我をしたのに、目を廻さずに済んだ。この....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
下谷高岸寺に、ある頃弟子僧二人あり。一人は律義廉直にして、専ら寺徳をなす。一人は
戒行を保たで、大酒を好み、あまつさへ争論止まず、私多し。ある時什物を取出し売るを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のうちに、大乗尊くして小乗のみ卑しとするは当りませぬ、大乗の中に小乗あり、小乗の
戒行なくしては、大乗の欣求《ごんぐ》もあり得ないわけでございます、大乗は易《い》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、今生の業縁《ごうえん》となってむくわれぬというためしはございませぬ……十善の
戒行《かいぎょう》を修《しゅ》した報いが、今生において天子の位に登ると平家物語か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
星が一つ、真暗な天地に戸惑いをしたもののように、残されておりました。 「あらゆる
戒行《かいぎょう》のうち、忍辱《にんにく》にまさる功徳《くどく》は無いと釈尊も仰....
「源氏物語」より 著者:紫式部
も剃った僧たちでさえ恋愛の心のおさえられぬ者があるのである、まして女というものに
戒行が保てるものかどうかあぶないものである、かえって罪に堕すことに自分は携わって....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
、禅宗のように不立文字を標榜して教学を撥無するものもあれば、念仏の直入を力調して
戒行をかえりみないものもあった。 世界と人倫との依拠となるべき真理がかく個々別....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
《もうむらさきにうれているげな》 さりながら念仏往生義にも、説くごとく、心に
戒行を持って一向専念せば、いずれの弘願ぞ円満せざらん。ここに一念発起したコン吉が....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ーモ・リンボチェに対しては一つの欠点を打つべき所もなかったのであります。誠にその
戒行は清浄であって人を憫み救わるる点においても実に感心の至りであった。ただ付添う....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
やられてしまう。神経質にならざるを得ない。爆音遠ざかる。一同路上にあらわれる。警
戒行軍、一列になって路の一側、路上に影を落とさぬほうを通る。私たちは皆家を焼かれ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
らを疎外することになってしまった。もっともこれらの戒律を重んずる宗旨では、自己の
戒行を保つ上において、これらの徒に近づくことを避ける事も実際やむをえなかったであ....