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「或は〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

或はの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ばし》を、横網を、割り下水を、榛《はん》の木馬場を、お竹倉の大溝を愛した。それは或は愛よりも憐《あわれ》みに近いものだったかも知れない。が、憐みだったにもせよ、....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
としても多少は知られていた。しかし資産を作ったのはゴム印の特許を受けた為だった。或はゴム印の特許を受けてから地所の売買をした為だった。現に彼が持っていた郊外の或....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ついしょう》の胸にメダルか何かをぶら下げた、如何にも子供らしい女だった。僕の目は或はそれだけでも彼女に惹《ひ》かれたかも知れなかった。が、彼女はその上に高い甲板....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
気楼か。」 O君はまっ直《すぐ》に前を見たまま、急にこう独り語を言った。それは或は何げなしに言った言葉かも知れなかった。が、僕の心もちには何か幽《かす》かに触....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は古往今来飽き飽きする程、素ばらしい心の持ち主である。のみならず彼女の服装とか、或は彼女の財産とか、或は又彼女の社会的地位とか、――それらも長所にならないことは....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
も存命するとすれば、四十を越していることであろう。四十を越した「初ちゃん」の顔は或は芝の実家の二階に茫然《ぼうぜん》と煙草をふかしていた僕の母の顔に似ているかも....
格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
神的カメレオンに対するシャルムの存することも事実である。 宇野浩二は本名格二(或は次)郎である。あの色の浅黒い顔は正に格二郎に違いない。殊に三味線を弾いている....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
家ではないと云う。云う心はメリメよりも、一つ一つの作品に渾成の趣を与えなかった、或は与える才能に乏しかった、と云う事実を指したのであろう。この意味では菊池寛も、....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
笑も微苦笑と称するを妨げざるべし。唯僕をして云わしむれば、これを微哀笑と称するの或は適切なるを思わざる能わず。 既にあきらめに住すと云う、積極的に強からざるは....
小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
、総計十首か十五首しかない。その点は僕によく似ている。しかし出来映えを考えれば、或は僕の詩よりうまいかも知れない。勿論或はまずいかも知れない。....
近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
れは偶然ではない。漫画には落想の滑稽な漫画がある。画そのものの滑稽な漫画がある。或は二者を兼ねた漫画がある。近藤君の漫画の多くは、この二者を兼ねた漫画でなければ....
佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
一、佐藤春夫は詩人なり、何よりも先に詩人なり。或は誰よりも先にと云えるかも知れず。 二、されば作品の特色もその詩的なる点にあ....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
かせることには独特の妙を具えていた。僕なども始終滝田君に僕の作品を褒められたり、或は又苦心の余になった先輩の作品を見せられたり、いろいろ鞭撻を受けた為にいつの間....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
・カントの再来か時計の振子かと思う程なりき。当時僕等のクラスには、久米正雄の如き或は菊池寛の如き、天縦の材少なからず、是等の豪傑は恒藤と違い、酒を飲んだりストオ....
出来上った人」より 著者:芥川竜之介
た。出来上った人と云う意味はまあ簡単に埒を明ければ、一家を成した人と思えば好い。或は何も他に待たずに生きられる人と思えば好い。室生は大袈裟に形容すれば、日星河岳....