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「戦禍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戦禍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鯉魚」より 著者:岡本かの子
乱は細川勝元、山名宗全の両頭目の死によって一時、中央では小康を得たようなものの、戦禍《せんか》はかえって四方へ撒《ま》き散された形となって、今度は地方地方で小競....
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
次第にはげしくなって行くと、それらの国々に於ける社会主義者や戦闘的労働者は、この戦禍に対する反対運動を開始した。それは、やがてアメリカの社会主義者をも立たせ、ジ....
天災と国防」より 著者:寺田寅彦
後の危機の出現と時を同じゅうしなかったのは何よりのしあわせであったと思う。これが戦禍と重なり合って起こったとしたらその結果はどうなったであろうか、想像するだけで....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
、五年前に消息をたち、生きているとも死んだとも分らなかった。が、多分あのはげしい戦禍《せんか》の渦の中にまきこまれて、爆死《ばくし》したのであろうと思われていた....
中支生活者」より 著者:豊島与志雄
が、その一つに数えられるだろうし、蘇州は殆んど今次の戦闘がなかった都会で、従って戦禍を蒙ることも殆んどなく、且つは古い文化の都会で抗日意識の比較的稀薄だったこと....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
子店のすぐ近くに難民区があるのには驚かれる。此処にもアンペラ小屋のものもあるが、戦禍による半壊の家屋を使用してる者が多いのは幸で、世帯整理もよく行届き、長春里第....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
ついに診る人の肝臓の腫れざるはなかりけり 流行性肝臓炎! 流行性肝臓炎!戦禍ここに至りてきわまれり 大陸の流感性肝臓炎は海をわたりて侵入せるなり 日....
モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
便利であった。 あのころ「現代文学」の同人会は染太郎でやるのが例で、ともかく、戦禍で浅草が焼ける半年前ぐらいまでは、なんとか酔えた。そのうちに三軒廻って一軒し....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
初志を貫徹して、目下大学英文科御在学であり、小娘の一念、あなどるべからずである。戦禍のドサクサ以来音信も絶えていたが、このたび我が身にあまる悩みの種が起って、姉....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
けではない私が、否、人一倍死を怖れてゐる私が、それを押しても東京にふみとどまり、戦禍の中心に最後まで逃げのこり、敵が上陸して包囲され、重砲でドカ/\やられ、飛行....
作者の言葉〔『火 第一部』〕」より 著者:坂口安吾
でないことによって、敵意をいだいてもいたのである。 私の念願は達せられた。私は戦禍の中を逃げまどいもし、私の目で見うる限りの戦争を見つめつづけることができた。....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
からである。しかし欲しくないことはない。 もしも捨て値の別荘を手に入れて運よく戦禍をまぬがれたらと亮作は思った。今の彼の運命は逆転してしもうのである。家をもて....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の別邸とこの屋敷を取換えてやろうと思うが」 言葉巧みにこうすすめる。千代とても戦禍の不安がないではない。津右衛門なきあと、使用人を別にして、この家族には全く男....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
によって人生の煩累から護られていたのである。 鶴見は短冊を一枚花袋から貰って、戦禍に遇うまでは、ちょくちょく短冊かけにかけてながめていた。短冊は竜土会であった....
中支遊記」より 著者:上村松園
悠々と自然のなかに溶けこんでいる。これが支那の本来の姿なら、これをわれから好んで戦禍に巻きこんでいった為政者の罪は一目でわかることである。白い紙をいたずらに墨で....