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「戦野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戦野の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命」より 著者:幸田露伴
年五月に起りて、同閏五月|西宮に崩ず。其遺詔こそは感ずべく考うべきこと多けれ。山戦野戦又は水戦、幾度と無く畏るべき危険の境を冒して、無産無官又|無家、何等の恃む....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
一般に甚大な感銘を与えたものであった。この作家は、他の何人かの作家と共に応召して戦野に赴いた一人であり、応召までの文学的経験もあって、その「糞尿譚」は文芸春秋社....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
もかく今日まで平和であった平凡な家庭などで、虎の子を戦火にやかれる、肉親の誰かを戦野で失う、政治を呪い世を呪う事々の呟きが次第に一家の雰囲気をつくり、性格をつく....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
命の悲痛さを、深く誠実に思い知り、罪の悲しさを知らねばならぬ。 私は帝銀事件に戦野を思う。十六人がバタバタ倒れてゆく。一人冷然とそれを見ている犯人。私はどうし....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
でき、ナスの皮の雑炊などに満腹してやや生色をとりもどしたばかりだ。余は彼らを再び戦野に駈り立てるに忍びないのである。余はサムライがイヤになった。 五智の別院を....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
くわえてダンスホールへ通い、太平楽な奴らだと思っていた。これも戦争のせい、同類が戦野に血を流し、未来ある生命を無為に祖国にさゝげた仕返しのようなものだ、と、むし....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
て育った人で、戦争などが好きな筈はなかったろうが、農村や工場や学校から否応なしに戦野へかりだされて、国民儀礼だの、服従、忠誠などを、ビンタの伴奏で仕込まれた人た....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
女の一人エリザベス・スログモオトンとの情事で、女王の忌避に触れたのだった。あとの戦野は相争う二つの党派のために解放された。一方はエセックスとその追随者との新しい....
志士と経済」より 著者:服部之総
すでに地方産商業家の中から算盤《そろばん》を棄て資財を抛《なげう》ってみずから諸戦野に出動する者が続々として認められた点にある。 文久二年正月の坂下門《さかし....
三国志」より 著者:吉川英治
物は乏しくない」と、いった。 玄徳は、言葉をつづけて、 「たとえば先頃、野火の戦野で出会って挨拶を交わした――赤備えの一軍の大将、孟徳曹操などという人物は、ま....
三国志」より 著者:吉川英治
羽、張飛、玄徳の三名を物ともせず、右に当り左に薙ぎ、閃々の光、鏘々の響き、十州の戦野の耳目は、今やここに集められたの観があった。 両軍の陣々にあった国々の諸侯....
三国志」より 著者:吉川英治
辺の勲功はおびただしいのに、まだ予は、君に恩賞も与えてない。――しかるにまたすぐ戦野に出たいとは、どういうご意志か」 と、すこし疑って訊ねた。 関羽は、答え....
私本太平記」より 著者:吉川英治
耶の裏越えから戦線を脱落し去った。 すると、すぐそのあとのことである。――夜の戦野から拾ッて来たと称して、物見組の一将校が、二人のかよわい者を連れ、おそるおそ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
なりきっていた。 かえりみると。 これらの女性が世路に耐えてきたたたかいも、戦野の男どもに劣るものでなく、しかもこんな弱い群れは、武門という武門や公卿の深窓....