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戦闘帽
「戦闘帽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戦闘帽の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「播州平野」より 著者:宮本百合子
、故障か。いい加減にしろよ」 白縮のシャツの上から腹巻をした、三十がらみの男が
戦闘帽を後へずらしてかぶった頭をつき出して、線路の前方を眺めた。 「三本松じゃ、....
「ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
のです。そのうちに東京は大空襲の連続という事になりまして、何が何やら、大谷さんが
戦闘帽などかぶって舞い込んで来て、勝手に押入れの中からブランデイの瓶なんか持ち出....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
勝げの心も、すべてそこのところから発しているのだ。先日も、在郷軍人の分会査閲に、
戦闘帽をかぶり、巻脚絆をつけて参加したが、私の動作は五百人の中でひとり目立ってぶ....
「一坪館」より 著者:海野十三
ちろん、銀座をあるく人のみなりも、ずっとよくなってきた。むかしのようなゲートルに
戦闘帽の人なんか、どこにもみられなくなった。モンペもすがたをけした。女はスカート....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
にしっかりその手は重ねられていた。私はその手から胸へ上体へと目を移し顔まで来た。
戦闘帽をかぶった工員風の若い男であった。私は自分の手をその手の中から脱出させるこ....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
できて、ドッコイショと放りだしたところであったが、放りだして、まだ真新しい死人の
戦闘帽にふと気がつくと、それをチョイとつまみとって、火のかからぬ方へ投げやった。....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
投げすてゝ、次の屍体をとりに行きかけて、ヒョッと気がついたのは何かといふと屍体が
戦闘帽をかぶつてゐる。これは勿体ないといふので、
戦闘帽をぬがせて横ッちよへ投げた....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
庁でもなく、むしろ国民自身だつたのである。私のような病人は、ついに一度もあの醜い
戦闘帽というものを持たずにすんだが、たまに外出するとき、普通のあり合わせの帽子を....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
りも邪魔で無意味でしかない屍体をその上に順に投げ落して、屍体の一つがまだ真新しい
戦闘帽をかぶっているのに気がついて一人がヒョイとつまみとって火のかからない方へ投....
「秋空晴れて」より 著者:吉田甲子太郎
に、巧く引綱をしばりつけなければならないのだ。 一男は怪我人の背中に手をつき、
戦闘帽型の帽子をぬがせた。そして覗き込んだ彼の眼に映ったものは意外にも職工頭の山....
「おりき」より 著者:三好十郎
しない) (そこへ下手の小径からスタスタ出て来る二人の人。前は野良着に巻脚絆に
戦闘帽の中年の男。伸ばしっぱなしにした不性髭の中から眼鼻が覗いている毛深い農夫で....