戦雲[語句情報] » 戦雲

「戦雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戦雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
当であると面白いことを云ったのは、外ならぬ東京警備司令官、別府九州造氏であった。戦雲暗し太平洋 わが海軍の主力、聯合艦隊は、小笠原諸島の東方、約一千キロの海上....
自叙伝」より 著者:大杉栄
れ以外の先生の時間はできるだけ休むことにきめた。 ちょうどその頃だ。日露の間の戦雲がだんだんに急を告げて来た。愛国の狂熱が全国に漲った。そしてただ一人冷静な非....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
運び始めて大いに当局を弱らせたのもこの時の事であったという。 そのうちに西南の戦雲が、愈濃厚になって来たので、県当局でも万一を慮ったのであろう、頭山、奈良原を....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
それ、太鼓を打て、狼烟をあげろ」 「へーい」 とんだことから始まって、たちまち戦雲はふかくサンデー砂漠の空にたれこめた。 村の騒ぎは、醤軍の方へも知れないで....
東京要塞」より 著者:海野十三
その戦争に捲きこまれていないいくつかの大国も、てんでに武装戦備を整えて、いつでも戦雲渦巻くその中心へ向って進撃できるように、すっかり準備は出来上っていた。 従....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
こそ、千古にわたって記憶せらるべき重大な日となった。 東洋一帯を、有史以来の大戦雲が、その真黒な大翼の下につつんでしまった日だ。 飛行島の朝まだき、飛行甲板....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ムの軽侮に応酬してやるんだが、つまりこんなわけで、私たち対レムのあいだには、近来戦雲あんたんたるものがあったのだ。 悪戯――とあたまへ来ると一拍子に、私は早く....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことを、さのみ否定はしないが、今は非常時である、非常時だと言っても、このあたりに戦雲が動いているわけでもなんでもないけれど、さきほどから米友の観察と、頭脳とを以....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
アンスの丘を駆けおり、既に幾多の兵士の倒れてる恐るべき窪地《くぼち》に飛び込み、戦雲のうちに姿を消したが、再びその影から出て、谷間の向こうに現われ、常に密集して....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いたかどうかは、われわれの疑いとするところである。 ジャン・ヴァルジャンは濃い戦雲の中でマリユスを見るような様子はしていなかった。しかし実際は、マリユスから目....
ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
ても、フランスでも、イギリスでも、何となしに底気味のわるい空気が漂っていて、いつ戦雲が捲き起らないとも知れなかったので、不安な未来を予想しながら二十年前の世界悲....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、ハーゲンはクリームヒルトをたぶらかし、聴きだすことができた。すなわち、隣国との戦雲に言よせられて、公主の心は、怪しくも乱されてしまったのである。 「それでは」....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
郵船会社の豪華船『霧島丸《きりしままる》』を沈めてしまった。 ――ああ太平洋上戦雲|暗澹《あんたん》たりだ。 聯合艦隊伊勢湾に集る この形勢を見た米国大使は....
役者の顔」より 著者:木村荘八
くなりました。羽左衛門の死については、文壇で云えば藤村がそうだったように、当時、戦雲の濃い中だったに拘らず、新聞の報道などに、さすがに大見出しで取扱われたもので....
三国志」より 著者:吉川英治
」 何進はよろこんで、 「行けっ」と、号令した。 この一声に洛陽の王府は一転戦雲の天と修羅の地になったのである。 袁紹は、たちまち鉄甲に身を鎧い、御林の近....