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截
「截〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
截の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
ずとも与えられる当然の悲しみや苦しみのほかにも)そこにそれらの人々を他の人々から
截《き》り離す一すじの溝《みぞ》は掘られている。それらの人々は阿呆《あほう》では....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
りこの標準にも全然例外のない訣《わけ》ではなかった。それは彼の友だちと彼との間を
截断《せつだん》する社会的階級の差別だった。信輔は彼と育ちの似寄った中流階級の青....
「春」より 著者:芥川竜之介
あらゆる姉のように忠告の言葉を加えようとした。すると辰子はそれよりも先にこう話を
截断《せつだん》した。
「とにかく大村を知らないじゃね。――じゃ姉さん、二三日|....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
に忙しい。紺飛白《こんがすり》が二人でせっせと晒布をたたんでは手ぬぐいの大きさに
截《き》っている。それを、茶の小倉の袴《はかま》が、せっせと折目をつけては、行儀....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
ず、況《いわん》やまた、天地作者の方寸をや。蔓頭《まんとう》の葛藤《かっとう》、
截断《せつだん》し去る。咄《とつ》。
(大正七年八月)....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
のに従い、いつかオレンジに変っている。そこへナイフが一つ現れ、真二つにオレンジを
截《き》ってしまう。白いオレンジの
截断面《せつだんめん》は一本の磁針を現している....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
の底に汨没《こつぼつ》せんずる危急に際して、蒸気機関はなお漾《よう》々たる穏波を
截《き》ると異ならざる精神をもって、その職を竭《つ》くすがごとく、従容《しょうよ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
敏な感受性があったなら、私は凡てを捨てて詩に走ったであろう。そこには詩人の世界が
截然として創り上げられている。私達は殆んど言葉を飛躍してその後ろの実質に這入りこ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
)の調べたところによると、ケオプス金字塔の建築者は、その造営に当っていわゆる黄金
截(〇・六一八)の比例を使ったらしいが、それにはともかくも一通りならぬ幾何学の知....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
はありません。けれども、未練と、執着と、愚癡と、卑劣と、悪趣と、怨念と、もっと直
截に申せば、狂乱があったのです。 狂気が。」 と吻と息して、…… 「汽車の室....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
る滝太郎を見着けた。 「おや、」 同時に少年も振返って、それと見ると、芝生を横
截って、つかつかと間近に寄って、 「ちょいとちょいと、今日はね、うんと礼を言わす....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。彼の宗教心は飽くまで強いのであるが、しかし在来の神学的ドグマは、到底彼の鋭利直
截なる研究的良心を充たすに足りなくなったのであった。彼は自身霊媒たる前に、片端か....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の漢学者は露骨に不快な表情を示し、少しも僕の顔を見ずに殆ど虎の唸るように僕の話を
截り離した。 「もし堯舜もいなかったとすれば、孔子は※をつかれる筈はない」 僕....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
うよ』 『一里四方もあるのか?』 『莫迦な事を言え。先ず青空を十里四方位の大さに
截って、それを圧搾して石にするんだ。石よりも堅くて青くて透徹るよ』 『それが何だ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
たのである。 そしてこう思った。「実際これも手術だ。社会の体から、病的な部分を
截り棄ててしまうのだ。」 忽ち戸が開いた。人の足音が聞える。一同起立した。なぜ....