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「截然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

截然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
かえたり、繕ろい仕事ぐらいよりしていない仕立屋と、新しいものを仕立てる裁縫師との截然たる懸隔をその伎倆に示したものと、十二分に自覚しているらしかった。彼は持って....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
表現、すなわち芸術的表現との二つに区別することができる。この両表現形式がはたして截然《せつぜん》たる区別を許すかの問題{1}、すなわち自然形式とは畢竟《ひっきょ....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
んでいたのである。四十年来の経験を刻んでなお余りあると見えた余の頭脳は、ただこの截然《せつぜん》たる一苦痛を秒ごとに深く印《いん》し来《く》るばかりを能事とする....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
敏な感受性があったなら、私は凡てを捨てて詩に走ったであろう。そこには詩人の世界が截然として創り上げられている。私達は殆んど言葉を飛躍してその後ろの実質に這入りこ....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
の応用と、精緻な器械を用いる測定である。これが百年前の物理学と今の物理学との間に截然たる区別の目標を与えるのである。それで考え方によっては物理的科学の進歩すなわ....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
であろう。 それだのに文学と科学という名称の対立のために、因襲的に二つの世界は截然と切り分けられて来た。文学者は科学の方法も事実も知らなくても少しもさしさわり....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
いうふうに全編を通じて見て行っても芭蕉と野坡の「音色」の著しいちがいはどこまでも截然《せつぜん》と読者の心耳に響いて明瞭《めいりょう》に聞き分けられるであろう。....
『尚書』の高等批評」より 著者:白鳥庫吉
がその根底となりしものなるを知るべき也。 又禹貢の九州を見るに之にも一の系統の截然として存するを見る。東を青州といへるは五行によれるものにて、東方は木徳、色は....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
たのも偶然ではないのである。吾等は短歌を広義抒情詩と見立てるから、叙景・抒情をば截然と区別しないが、総じて赤人のものには、激越性が無く、静かに落着いて、物を観て....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
う事実を知らせるだけの役には立つと思う。 ついでながら、切り立ての鋏穴の縁辺は截然として角立っているが、揉んで拡がった穴の周囲は毛端立ってぼやけあるいは捲くれ....
表現論随筆」より 著者:豊島与志雄
的に、「あら、ひとの眼に……。」 客観的表現と主観的表現とは、そういうところに截然と区別せらるる。文学上のむずかしい理論を俟つ必要はない。 最も純粋無垢な客....
性格を求む」より 著者:豊島与志雄
って、或は一人の××××を知ることによって、はっきりと敵味方に別れる。そしてこの截然たる敵味方の区別が、実は最も大切なのである。そこから、社会は本当に動き出す。....
漫画と科学」より 著者:寺田寅彦
漫画とは何かという問に対して明確なる定義を下す事は困難であろう。また漫画とそれ以外の絵画との間に截然たる区劃線を引く事も容易ではない。漫画家自身でもおそらく人によってこれに関す....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
肩に荷わされたような窮屈さを感じないわけには行かなかった。けれどもこの時の余は、截然としてその委託を謝絶するほどの勇気もなかった。余はただぼんやりとそれを聴きな....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
め入る」ということもやがては「じっと案じ入る」ということになるのであって、それを截然と切り離して考えるということはむしろできがたいというのが本当なのです。彼の ....