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戯し
「戯し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戯しの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年時代」より 著者:幸田露伴
は、柄が三尺もある大きい薪割が今も家に在りますが、或日それを窃に持出しコツコツ悪
戯して遊んで居たところ、重さは重し力は無し、過って如何なる機会にか膝頭を斬りまし....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
ていた。そこは暗かった。――女がキャッ! と叫んだ。そこへ来ると、誰か女によく悪
戯した。 ――この、いけすかない男! ――オイ、今日は……? ――今日? ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
も番頭も何を致しおるか存ぜぬが、長引くだけにいっそ楽しみじゃ。ならば一つ身共も悪
戯してつかわそうぞ。ゆうべのあの看板を今一度ここへはずして参れ」 小女に持参さ....
「狼の怪」より 著者:田中貢太郎
は笑って何も言わない。 「何かまたきっと悪戯をなされたでしょう」 「ほんとうは悪
戯したのよ、この方が睡っていらっしゃるから、咽喉の辺をさすったのよ」 若い女は....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
在、その日その日の生命に無理な軛を負わせないで、あるがままに楽み、唯もう自然と遊
戯しているつもりで暮していたらしかった。 この老和尚を描いたものに、渡辺崋山の....
「連環記」より 著者:幸田露伴
呂洞賓という仙人は、仙道成就しても天に昇ったきりにならずに、何時迄も此世に化現遊
戯して塵界の男女貴賎を点化したということで、唐から宋へかけて処処方方に詩歌だの事....
「狸と俳人」より 著者:田中貢太郎
互にいましめあって危害を加えなかった。そして、村の子供達にも、 「先生様の狸に悪
戯しちゃいかんぞ」 と云い云いした。ところで、其の庄造が病気になった。初めはち....
「故郷」より 著者:豊島与志雄
ことを、私は一体誰と一緒になしたのか。私を甘やかしてくれた父母や大人たち、私が嬉
戯した友人たち、それらの人々の印象は、今は朧ろにぼやけている。その代りに、山の峰....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
自由で快活であった。彼らは木の上で生活しまた木の上で睡眠を取りそして木を渡って遊
戯した。彼らの日常の食物は木の実、草の根、鳥獣などで、彼らは勤勉によく働いて沢山....
「環礁」より 著者:中島敦
|翡翠《ひすい》色の夢のような世界の中で、細鱗を閃《ひらめ》かせつつ無心に游優嬉
戯しているのである。殊に驚くべきは、碧《あお》い珊瑚礁《リーフ》魚よりも更に幾倍....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
の乱暴をとめようとして、五、六人泥田に投げ込まれてしまった事がある。それに女に悪
戯した。 酔いがさめると、手拭で頭をしばって、一日中寝た。 「俺ア何アんもしね....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
日鼠を三疋飼っています。よく車を廻します。少しの米を食って何の不足もなさそうに遊
戯して暮らしています。時々小さな声を立てて鳴きます。私は寝床に横になって、そのさ....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
事をよくお取り扱いになると聞きましたし、また先日のお話では、当人に無関係の霊が悪
戯したり、禍したりする例も沢山あるとの事でしたし、目に見えない霊の力の恐しさとい....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
掌を捕えて、乗客は詰問するような語調で言った。 「何んでもなかったんです。誰か悪
戯した人があるんでしょう。――非常ベルを鳴らしたりするもんだから、すっかり脅かさ....