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「戯書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戯書の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
可哀相な姉」より 著者:渡辺温
った。男は、私が覗く度毎にドキンとさせられる程、いつか姉が私の顔へ眼鏡と髭とを悪戯書したその時の私の人相と、まるでそっくりなのである。 私はそこで顔ばかりでな....
陣中日誌(遺稿)」より 著者:山中貞雄
の人は……」 班長○○伍長又語る 「彼は……」 此の頃、現地より特電 ○壁の戯書 チャカ、チャカで 手まね、口まね チャン料理 散兵が歩く ....
右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」より 著者:山中貞雄
乳母が「待ってらっしゃいますよ」と言って置いて日傘を取りに店へ戻る。背後の板塀に戯書がある。相合傘の下に、 いきち、おるい その戯書の大写からO・Lして、 ....
メデューサの首」より 著者:小酒井不木
護婦について知っているだけのことを話し、そうして、トランプに負けた者にああした悪戯書きをするのであると説明しました。 すると紳士は笑うかと思いのほか、夜目にも....
足迹」より 著者:徳田秋声
墨のようなものを描いて、にやにやしていた。 「知っていますよ。」 お庄はその悪戯書きを見て見ぬふりをしていたが、終いに一緒に噴き出してしまった。 「叱られます....
津軽の虫の巣」より 著者:宮本百合子
ご》珠、天鵞絨《ビロード》の小帯を、仄暗い燈台の陰で人知れず眺める喜びと、一蝶の戯書《ざれがき》を同好の士に誇る老臣の喜悦とは、その間に必しも大小はない。 当....
先生の顔」より 著者:竹久夢二
1 それは火曜日の地理の時間でした。 森先生は教壇の上から、葉子が附図の蔭にかくれて、ノートへ戯書をしているのを見つけた。 「葉子さん、そのノートを持ってここへお出でなさい」....
伝通院」より 著者:永井荷風
門の中に進入《すすみい》る事ができなくなったのかと思うと、なお更にもう一度あの悪戯書《いたずらがき》で塗り尽された部屋の壁、その窓下へ掘った金魚の池なぞあらゆる....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
何か? と孫兵衛、ズルズルと畳へ長くひき伸ばしてみると、どうだろう! まるで悪戯書きをしたような大きな文字で、墨黒々、こんな文句がなすってある。 あわれむべき....
美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
。 正倉院御物の有名な「大大論」の人物画などそれである。きっと大昔の写経生の悪戯書きか、即興のスケッチでもあることだろう。写経料紙の端に、袍を着た※頭(帽子)....