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「戸主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戸主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
残らねば何にもならぬ。 ◯七月八日は栗橋の吉田修子さんの婚礼があり、目下入営中の戸主・卓治さんの心持もあり、私はその式に列した。それから平磯へいって講演をしたが....
食魔」より 著者:岡本かの子
主人はもはや無縁同様にはなっているようなものの菩提寺と墓地は赤坂青山辺に在った。戸主のことではあり、ともかく、骨は菩提寺の墓に埋めて欲しいという伯母の希望から運....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
て、当時は未だ生きていた。この男は僕の再従兄弟に当って、法律上の親族ではあるが、戸主であるし、僕より年長で、養子にすることは出来ない。又しようとも思わない。 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
違ない旨を答えた。入檻は二十二日の朝まで続いた。ようやくその時になって、寄留先の戸主をお呼び出しになり宿預けの身となったことを知ったという。 「でも、わたしもば....
正義と微笑」より 著者:太宰治
だから、姉さんも、兄さんの言う事を、一から十までは聞かない。兄さんは、でも、今は戸主だし、姉さんに命令する権利はあるわけだ。その辺が、むずかしいところだ。兄さん....
獄中消息」より 著者:大杉栄
は両方とも見せてくれ。 万一これで話がまとまらぬなら致し方がない。ともかくも新戸主としてのすべての僕の権利を遂行して、一方財産の離散を防いで置いて、さらに僕の....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
てそんなことをする外には、これと云って何をする目当もなかった。 長兄の正一郎が戸主であるが、この男は昔から兄弟の情などなくて、物質万能の生れつき。田舎の旧家の....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
」 と云って駐在所から送りだされたのであった。駐在所の前には中平をのぞく部落の戸主が全員集っていた。彼らは最敬礼して久作の出所を迎え、まさに土下座せんばかりの....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
、日本橋の店の方は、古い番頭や手代達によって、順調に経営されていた。お島が柏屋の戸主であった。しかし女であり未婚であり、年若であるところから、叔父の勘三が後見を....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、四人がいずれも、実の父母を知らないということで、戸籍面を見ても、一家を創立した戸主になっているのだ。 そして、いまはっきりと知ったのは、四人のいずれか二人が....
山茶花」より 著者:佐左木俊郎
、爺は、その底の方に、何かしら意地の悪いものがあるように感ずることがあった。伜に戸主を譲って、一時、ほっとした気持ちになった爺は、また根をつめて働き出した。伜は....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
もならない。私は兵隊に取られる方である。ところが、また、次男でも、親を一人持ち、戸主であれば取らぬという。それから、もう一つ、二百七十円政府へ上納すれば取らんと....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
谷おきせさんは穀屋の店を畳んで堀田原の家に世帯を引き取りました。 この家は私が戸主で、養母が住んでいるけれども、それはほんの名義だけのことであるから、万事は師....
小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
そのまま放任しておいた。爾来数年を経たが帰ってこない。そこで父親は民法にいわゆる戸主の居所指定権なるものを行使した。ところがその男は頑として応じないので父親は憤....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
になにものかが憑付して、この怪事をなさしむるものというにほかならず。されば、その戸主杉本氏もやはり、しか信ぜしなり。しかるに、ある二、三の人は、これをもって狐狸....