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「戸帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戸帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
の扉を開けましたが、今|雪洞《ぼんぼり》の光に透《す》かして見ると、古びた錦の御戸帳《みとちょう》の後に、端然と立っている御神体は、ほかでもない、この麻利耶観音....
薤露行」より 著者:夏目漱石
登り詰めたる階《きざはし》の正面には大いなる花を鈍色《にびいろ》の奥に織り込める戸帳《とばり》が、人なきをかこち顔なる様にてそよとも動かぬ。ギニヴィアは幕の前に....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
った、彼の声は絶望した余の耳へ警鐘の様に響いて居た。 第九十六回 颯《さっ》と戸帳を 余は権田時介の声を聞き流して二階を降りた、後で権田と森主水との間に何....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
事に済んだが、たなばた祭りもきのうと過ぎた八日の朝になって、善昌は突然に仏前の御戸帳をおろした。今までは何人にも拝ませていた光明弁天の尊像をむらさきの帳の奥に隠....
カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
部屋の隅を見ると冷やかにカーライルの寝台《ねだい》が横《よこた》わっている。青き戸帳《とばり》が物静かに垂れて空《むな》しき臥床《ふしど》の裡《うち》は寂然《せ....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
の歴史を煎《せん》じ詰めたものである。過去と云う怪《あや》しき物を蔽《おお》える戸帳《とばり》が自《おの》ずと裂けて龕《がん》中の幽光《ゆうこう》を二十世紀の上....
縁結び」より 著者:泉鏡花
であったろう。 框がすぐに縁で、取附きがその位牌堂。これには天井から大きな白の戸帳が垂れている。その色だけ仄に明くって、板敷は暗かった。 左に六|畳ばかりの....
三国志」より 著者:吉川英治
している民ばかりのようです」 侍臣は、そうお答えした。 その後、公卿たちは、戸帳を作り、住民の数を詮議し、同時に年号も、 建安元年 と、改元した。 何....
私本太平記」より 著者:吉川英治
帳一切をこれへはこべ」 といいつけていた。 彼は、それらの検見帳から、領下の戸帳や蓄備倉の表や年貢控えなどを克明に見終っての後。 「爺、おととしかな、ひどい....