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戸棚
「戸棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戸棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ようやく当時の版画《はんが》が陳列されている、最後の一室へはいった時、そこの硝子
戸棚《ガラスとだな》の前へ立って、古ぼけた何枚かの銅版画を眺めている一人の紳士《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
おろ》すと、無邪気な笑顔を見せながら、もう肴《さかな》でも探してやる気か、台所の
戸棚《とだな》に手をかけていた。
その翌日から妾宅には、赤い頸環《くびわ》に飾....
「早春」より 著者:芥川竜之介
村は室内を見渡した後《のち》、深呼吸をするように体を伸ばした。それから大きい硝子
戸棚《ガラスとだな》の中に太い枯れ木をまいている南洋の大蛇《だいじゃ》の前に立っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に働かして、部屋の中を静かに見回していたが、やがて夢遊病者のように立ち上がって、
戸棚《とだな》の中から倉地の寝具を引き出して来て、それを部屋のまん中に敷いた。そ....
「星座」より 著者:有島武郎
《ひも》じくなってきた。そっと女中部屋を出て、手さぐりで冷えきった台所に行って、
戸棚を開けた。そしてそこにあるものを盗み喰いをしようとした。
その瞬間におせい....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
にすると、さも怨《うら》めしげに流眄《ながしめ》に見ながら、こわれごわれになった
戸棚《とだな》の中から、鉢《はち》に入ったのを取り出して手早く白痴《ばか》の膳に....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
って、二階の階子段《はしごだん》が緩《ゆる》く架《かか》る、拭込《ふきこ》んだ大
戸棚《おおとだな》の前で、入《いれ》ちがいになって、女房は店の方へ、ばたばたと後....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と提げて、鼻紙を取って、薬瓶と一所に、八重にくるくると巻いて包んで、枕許のその置
戸棚の奥へ、着換の中へ突込んで、ついでにまだ、何かそこらを探したのは、落ちた蛾を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
た連中からだんべい。 お客様何でがすか、お前様、子守唄|拵えさっしゃるかね。袋
戸棚の障子へ、書いたもの貼っとかっしゃるのは、もの、それかね。」 明は恥じたる....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
をして、 「あの、もしえ。」 と初々しいほど細い声を掛けると、茶の間の悪く暗い
戸棚の前で、その何かしら――内臓病者補壮の食はまだ考えない、むぐむぐ頬張っていた....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
来てあった。僕は壁にかけた外套に僕自身の立ち姿を感じ、急いでそれを部屋の隅の衣裳
戸棚の中へ抛りこんだ。それから鏡台の前へ行き、じっと鏡に僕の顔を映した。鏡に映っ....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
れで、カレンの足は、ようやくおとなしくなりました。 内へかえると、そのくつは、
戸棚にしまいこまれてしまいました。けれどもカレンはそのくつが見たくてたまりません....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、ふだんは居間になっているところだった。ここでは、ぴかぴか光る白鑞の器が長い食器
戸棚にいく列も並んでおり、目も眩いほどだった。一隅に羊毛の大袋があって、紡ぐばか....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
可心という金沢の俳人の(能登路の記)というのを偶然読みました。 寝床の枕頭、袋
戸棚にあったのです。色紙短冊などもあるからちと見るように、と宿の亭主が云ったもの....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て寝に行きました。木戸があって玄関まであって室数が七ツばかり、十畳敷の座敷には袋
戸棚、床の間づき、時代にてらてら艶が着いて
戸棚の戸なんぞは、金箔を置いて白鷺が描....