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「戸籍簿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戸籍簿の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
川家の戸籍法違反の告発をなし、一方戸籍役場には、法律上許すべからざる記載として、戸籍簿の訂正を申請した。他方には又、地方裁判所に、重明の相続無効の訴訟を提起した....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ました。 松雲は周囲を見回した。彼には心にかかるかずかずのことがあった。当時の戸籍簿とも言うべき宗門帳は寺で預かってある。あの帳面もどうなっているか。位牌堂の....
狂乱」より 著者:近松秋江
ると、そこから村里まで歩いて、村役場について、まず親類という人間の姓名をいって、戸籍簿を調べてもらったが、村役人は、「そんな名前の人は心当りがありませんが」とい....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
ずに戸籍だけごまかすという手もあったに相違ないが、奈良朝だの平安朝の今日残存する戸籍簿に働き盛りの男子が甚しく少いのは名高い話で、つまり逃亡しているか、戸籍をご....
狂人日記」より 著者:秋田滋
ために、殺しても好いのだ、仮にいま二十万人のひとを殺させたとする。すると、国家は戸籍簿からそれらの人の名を消し、書記の手で除いてしまう。ただそれだけのことだ。と....
捨吉」より 著者:三好十郎
ないのだろう? 俺が蟻でないからだ するとこの俺はなんだ? また始めた いまさら戸籍簿をひろげ 身元證明を並べて 俺が俺を確認してみても なんになるのだ 俺のと....
私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
て引きかえしてきた。 「この通りちゃんと死亡届が出とる」 私の前へつき出された戸籍簿の私の名前の肩にはなるほど朱の細字で「昭和三年二月二十一日死亡」と書いてあ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
があるので現代においていかに系図が保存されるかを見て大悦びであった。 ある者は戸籍簿を自ら繰返しながら叫んだ。 「まあ! この帳簿は平民ばかりだ! 」 ある....
三国志」より 著者:吉川英治
乞う、善策を示したまえ」 「明日から、かかりましょう」 孔明はかねてから新野の戸籍簿を作って、百姓の壮丁を徴募しておいた。城兵数千のほかに、農兵隊の組織を計画....
三国志」より 著者:吉川英治
懸念するところは、兵員の不足であり、また戦争遂行に要する財源の捻出だった。蜀中の戸籍簿によって、蜀、魏、呉の戸数を比較して見ると、蜀は魏の三分の一、呉の半数しか....