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戸締り
「戸締り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戸締りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
んどん急がせた。 その夜ほど、わが住居の寝床の心地よさを感じたことはなかった。
戸締りをして、電気行火ですっかり温くなっている蒲団の中で足を伸ばすと価千金といい....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
、かなり早くから女中にお床をお取らせになって、お睡みになるのでございます。そして
戸締りなぞにつきましても、いままでより一層神経質になり、厳しくおっしゃるのでござ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
らすっかり静かになるまでには四十分は充分に掛ります。昨晩私達が、各々手分けをして
戸締りを改めてから消燈して寝に就いた時は、もう十時に近い頃でした。野口君は、寝巻....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
、母親に云いつけられたのか女学校へ行っている娘の君子が、店をしまって、ガラガラと
戸締りをしはじめた。煙草屋は、十一時を打つといつも店をしまう。ただ売台の前の硝子....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
知れない。いずれにしても美木は、その夜も三四郎の宅を訊ねて行ったという。けれども
戸締りがしてないのに家の中に人の気配がないと、ふと不審を覚えていつもの軽い気持で....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
は得意満面、にやりと笑った。 表と裏とから二手に分れて入った。烏啼の眼の前には
戸締りなんか無いも同然だ。 「ばあやをひっくくって、押入の中へ入れちまいました、....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ばかしい」 と、X大使は、吐き出すようにいって、 「君の方では、あれで、厳重な
戸締りをしたつもりなんだろうねえ。人間なんて、自惚《うぬぼれ》ばかりつよくて哀れ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
かけ金は、いつもちゃんとかけてあるんですね」 「そうだ。いつもかけてある。厳重に
戸締りしてありました」 「すると、その窓を明けて、誰か外へ逃げだしたんだな」 「....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しく露われた。 いささか心も落着いて、カチンとせんを、カタカタとさるを抜いた、
戸締り厳重な雨戸を一枚。半ば戸袋へするりと開けると、雪ならぬ夜の白砂、広庭一面、....
「おせっかい夫人」より 著者:岡本かの子
からたまりません。国枝さんの嫁さんと姑さんが出かける時、厳重に鍵を利かせて置いた
戸締りの何処かにすきがあるかと隣家の戸口という戸口を四十男とたたいて歩き廻りまし....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ばかりすらすらと歩行いて来ました。 見ると婦人。 はてな、盗られる物はなし、
戸締りはして置かないから、店から用があって来たのかしらと、ひょいと見ると、どう仕....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
町のこれぞと思うところに、警官が動員されていた。 騎馬巡査が町をねり歩いては、
戸締りをげんじゅうにするよう、家々によびかけた。小学校は午後三時には授業をうち切....
「狐」より 著者:岡本かの子
肴が見付かろう。 ――そういう風流気はないが、貴公行きたければ同伴しよう。 ――
戸締りはせんのか。 ――盗人が入っても盗らるるものは只今剥き捨てた甘藷の皮ばかり....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
ニュースを聞いていらしたかと思うと、突然顔色を変え、東京から急に大工を呼び寄せて
戸締りを直させたり、ちょっとした物音にも脅えて、まるで誰かに狙われてでもいらっし....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
心ですから、廊下の方へ向いたドアに新らしく鍵をつけて、あすこだけを独立させたので
戸締りだけは充分に出来ております。主人は大変に臆病になりましてね、以前は至って元....