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「戻り道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戻り道の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
気がついたように、 「実はあれから、この近所に、あっしも用達しがあったので、その戻り道。たった今の剣《つるぎ》の光を見たわけですが、太夫さん程の腕がありゃ、どん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。そうして殿様は、これからどちらへお越しになろうというんでございますか」 「いや戻り道だ、大平神社の隠居殿を訪ねて、これから大中寺へ戻ろうとするところじゃ」 「....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
女軽業の親方のお角さんは、お気に入りのお梅ちゃんを連れて、浅草の観音様へ参詣の戻り道です。 「梅ちゃん、何ぞお望み、今日はなんでも好きなものを買って上げるから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。それからお婆さんは、自分の今度の旅行も、この故に富士山へ登山参詣をして来たその戻り道であるということを聞かされて、与八もこれには実際的に多少の驚異を感じたよう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
これを辞退して、養賢堂の儒臣が送ろうというのも辞退して、そうして折返し月ノ浦への戻り道、松島へ来て瑞巌寺を訪れると、折よく典竜老師が臥竜梅《がりゅうばい》の下で....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
分は京阪へ出発してしまった方が、事がテキパキと行くと考えました。そうして置いて、戻り道に立寄って見れば、この暴女王様の御意の変ることもあろうと考えたのですが、こ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、またこのすばらしい光景だものだから、つい、うっかり遠走りをやり過ぎて、いま、戻り道に向ったところです」 と駒井は、いつもの通り沈重《ちんちょう》に釈明を試み....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
ったが、音にきこえた色好みには衰えもなく、夜毎におちこちの女に通った。白々明けの戻り道に、きぬぎぬの残り香をなつかしんでいるのであろうか、ねもやらず、縁にたたず....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
暗黒世界の実在が彼の脳天をうったのである。 彼が「鉢の木」を唸らずに保久呂湯の戻り道を急いだのはメッタにないことだった。だが、南無三! 実に奇妙な予言であり、....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
一同の後へ戻ればよいのだから、そしてその間に人の介在が皆無なのだから、彼女の場合戻り道でしくじる危険は全くなしと断じてよい。有力な容疑者だが、動機が稀薄だ。 ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
そんな人間では、修行のしきれる呪術ではなかった。 「薬草取りは?」 玄白斎が、戻り道の方へ歩きかけたので、和田が、こう声をかけると 「止めた――戻ろう」 と....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
一人の衛士とすれ違う。これが我らの往復に於て道ですれちがった唯一の人物であった。戻り道で夜が明けそめる。断雲が四散し、一面に美しい青空一色になろうとしている。神....
日記」より 著者:宮本百合子
瓶づめのようなものをお土産に持っておいでになる。 A、藤岡先生のところへ行った戻り道、丸の内ビルディングの中の 〔Cafe'〕 何とかによって、肉などを買って....
人狼」より 著者:岡本綺堂
と、ほかの二人はおどろいて逃げてしまいました。あとで聞きますと、その三人は盆踊の戻り道でわたくしに殺されたのはおぎんと云う今年十六の娘……。しかも毎日わたくしの....