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戻り馬
「戻り馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戻り馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
上をぐるぐると転げた。火はこれがために消えて、しばらくは黒白も分かず。阿部街道を
戻り馬が、遥に、ヒイインと嘶く声。戸外で、犬の吠ゆる声。 「可恐い真暗ですね。」....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
諸大名諸公役が通行のおりの荷物の継立ては言うまでもなく、宿人馬、助郷人馬、何宿の
戻り馬、在馬の稼ぎ馬などの数から、商人荷物の馬の数まで、日々の問屋場帳簿に記入し....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
じて片頬笑み、 「有難え、図星という処へ出て来たぜ。が、同じ事を、これ、(旦那衆
戻り馬乗らんせんか、)となぜ言わぬ。」 「へい、」と言ったが、車夫は変哲もない顔....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
とは思われない。開いたばかりの関所の門を、たった今潜って来たところであろう。 「
戻り馬であろう。乗ってやる」こういった声は陰気であった。 「へい有難う存じます」....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
う、灼《あつ》い陽の下へ出ていた。
暑い、この頃の陽の下を旅する人は少いから、
戻り馬も通らなかった。和田は、俯向いて、口を開きながら、眉を歪めて、苦しそうに、....