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「所伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
伝わらず、ただ二度あるいは三度他人の手を経たものしか知ることができない。これらの所伝によると、宇宙におけるあらゆるものの関係は数によって表わすことができる。そう....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
な形見を残した。景蔵のところへは特に世話になった礼だと言って、副将田丸稲右衛門が所伝の黒糸縅の甲冑片袖を残した。それは玉子色の羽二重に白麻の裏のとった袋に入れて....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の新服をまといたいが、仏事のほかは洋服を着用しても苦しくないか。神社仏寺とも古来所伝の什物、衆庶寄付の諸器物、並びに祠堂金等はこれまで自儘に処分し来たったが、こ....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
そうである。 友人たちとこの映画のうわさをしていたとき、居合わせたK君は、坊間所伝の宮本武蔵対|佐々木巌流の試合を引き合いに出した。武蔵は約束の時間を何時間も....
十二支考」より 著者:南方熊楠
在世既にあまねく俗間に歌われ種々の増補と改竄《かいざん》を受けたのだから、和漢の所伝が現在インドの諸本と異処多きはそのはずだ。仏典にはこれを一女の故を以て十八|....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
故に、却って誰よりも日本の政争から離れた存在であったとも考えうるが、その辺は何ら所伝がなく系図も破られているから見当がつかないのである。 彼らがこの地へ土着す....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
を数えれば、芸術上の逸品と見られるものだけでも、相当の数にはなるだろう。が、悉く所伝通り、凡慧心僧都以後の物ばかりと思われて、優れた作もありながら、何となく、気....
周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
の知っているのはただ四個の穴だけで、これを山姥ノ穴と云っているのである。石城神社所伝の古図にも、所謂四窟は立派に書きあらわしてあるが、磐石を畳んだ形跡は見えない....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
わち先住民の現れと見るべきものであろうと解せられる。 加賀の白山の天狗は鞍馬寺所伝天狗神名記によるに、白峰坊大僧正というとある。そしてその下には正法坊という眷....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
地を定むるをえずして、分散して他の太子縁故の諸寺を造ったとの、補闕記及びその他の所伝の文については、余輩は当初これを解して、「衆人居住の地を定むるを得ずして」の....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
三家者|藁履作、秤作、弦差也。抑坂者。(下略) と云っているのは、その当時の所伝として貴重なる文字だと言わねばならぬ。ここに燕丹とはエタの事である。この説は....
西航日録」より 著者:井上円了
、巨人庭石という。天工の巧妙なるに感じて、 天工錬石造奇形、絶妙使吾疑有霊、西俗所伝君勿笑、古来呼称巨人庭。 (自然のたくみは石をねりあげて、すぐれた形を造った....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。これまでながく、『金槐集』は実朝一生の作と思われていたが、金沢の松岡氏蔵の定家所伝の『金槐集』を昭和四年に佐佐木信綱博士が発見されたのによって、その考は全く覆....
私本太平記」より 著者:吉川英治
録もない。伝説として残っているのは、米子市附近の安養寺にある五輪ノ塔だけである。所伝によれば、身の孤独と、世の荒びに、すべてを見失った十六のおとめは、この地で黒....
山の人生」より 著者:柳田国男
その家庭生活を検すれば、思いのほかなるものがあった。『越後名寄』巻三十三その他の所伝によれば、酒顛童子はこの国西蒲原郡|砂子塚、または西川桜林村の出身と称してお....