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所出
「所出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
中に、やはり明瞭ではあるが、前後とどうしても辻褄《つじつま》の合わない所が一二箇
所出て来るんだってね。そうしてそれを学生が質問すると、君の兄さんは元来正直な人だ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
。なかなか深山らしき大森林なり(ブナ帯)笹原を下り、平湯に出ず(十時半)十一時同
所出発、鉱山跡を通り乗鞍大滝を見ながら上る、非常に大きな滝なり。風雨強く雷鳴を聞....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
矢や、衣笠などの働き振りをみんな見習え! 十分|鶴嘴に力を入れて!」特曹は、訓練
所出の一群を指さした。「高取! もっとしッかり麻袋にドロをつめる!」 「特務曹長....
「読書法」より 著者:戸坂潤
法』(清和書店版)の内で、イギリス文明史を書いた「ボークル」云々という言葉が数ヵ
所出て来たが、之はバックルでなくてはならぬだろうと思った。処が旧ナウカ社版、白揚....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
、いつ、うだつの上るときが来べ?―― 信吉はとうとう、明日××林業株式会社事務
所出張所へ総集合という前の晩、谷間の六号番屋をズラかった。 五 ....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
ろでは、大水溜りがあった。 看板ばかりが大きい下宿屋、飲食店、あとは、××工務
所出張所と云った風のバラック建が、大道路に向って並んでいる。八月十五日以来、これ....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
忙しい役目に逐われて、道中ばかりしていたので、桝小屋の小さな屋敷も金作という知行
所出の若党と、その母親の後家婆に任していた。ところが今度の帰国を幸い、縁辺の話を....
「乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
ズボンじゃねえか。第一、今時、腰弁だって、黒の深ゴムを履きゃしねえよ。そりゃ刑務
所出来の靴さ。それからな、お前さんは、番頭さんにゃ見えねえよ。金張りの素通しの眼....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
諸樹 百穀苗稼 甘庶葡萄 雨之所潤 無不豊足 乾地普洽 薬木並茂 其雲
所出 一味之水 葎の中に日が射して、経巻に、蒼く月かと思う草の影が映ったが、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
し 〔巻九・一六九九〕 柿本人麿歌集 宇治河にて作れる歌二首の一つで、人麿歌集
所出の歌である。巨椋の入江は山城久世郡の北にあり、今の巨椋池である。「射部人」は....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
のでわきをふさいでからも二三度縁組みして十四の時から嫁に行き初めて二十五まで十八
所出て来たり出されたりしたんで段々人が「女にもあんなあばずれ者があるもんですかネ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
難辛苦をなめて、漁業には、りっぱな体験をもった人々。 二名の練習生は、水産講習
所出身で、これから、海上の実習と研究とをつんで、将来は、水産日本に大きな働きをみ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
せているばかり。首吊りどころか何の異変も見られぬのであった。
この交番氏は教習
所出たての若い警官で、こういう実務にはまだ熟達していなかったので、この二人の下級....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
て告白するの必要はなかった筈である。これはむしろ空也上人の如く、初めから何らその
所出を言わぬ方がよかったのではないかと思われる。しかるにもかかわらず聖人がしばし....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
囲をよく調べてみたよ。すると、ずっと二百メートル以上離れたところに水道せんが四か
所出ているんだ。それを結んだ二つの直線の交叉点がすなわち目的の一点だということは....