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所天
「所天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
商があって、随分盛大にやって居ましたが、其|主人《あるじ》は女で名は梅《うめ》、
所天《つれあい》は二三年前に亡《なく》なって一人娘《ひとりむすめ》の里子《さとこ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
丸部夫人と云う気位で交際社会からも持て囃されるし、通例世間一般の女房たる者が酷く
所天《おっと》を圧制する通りに余を圧制しようと試みる、余の為す事には何でも口を出....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
するだけ不為だからと云ましたけれど女房は仲々聴きません果は両の手に左右の戸を捕え
所天に決して其様な罪は無い彼に限ッて悪事は働かぬとか
所天が牢へ入られるなら私しも....
「断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
言った。 「お婆さんは、何姓ですか」 「今は施姓ですが、母方のほうは李姓ですよ、
所天が没くなってから十年になりますが、男の子がないものだから、今にこうしておりま....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
を強請って困らしたの、電車の中に泥酔者が居て衆人を苦しめたの、真蔵に向て細君が、
所天は寒むがり坊だから大徳で上等|飛切の舶来のシャツを買って来たの、下町へ出ると....
「円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
を裂かれるようなことがなければと、私はそれが苦労でなりません」 「あなたより他に
所天はないと存じておりますから、たとえお父さまに知れて、手討ちになりましてもかま....
「雀の宮物語」より 著者:田中貢太郎
ができなかったから、女房は他の男によって其の満足を得るようになり、それがこうじて
所天が厭わしくなって来た。 「あれを何うかする工風はないの」 と、某夜女が男の....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
池に自分の問題を考えて貰った。それ程自分に兄貴らしい心もちを起させる人間は、今の
所天下に菊池寛の外は一人もいない。 まだ外に書きたい問題もあるが、菊池の芸術に....
「海坊主」より 著者:田中貢太郎
引込んで往ったが、怕くて脊筋から水でもかけられたようにぞくぞくして来たので、早く
所天が帰って来ればと思いながら慄えていた。そのうちに四辺がすっかり暗くなって、時....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
が、逸りきったる若き男の間違いし出して可憫や清吉は自己の世を狭め、わが身は大切の
所天をまで憎うてならぬのっそりに謝罪らするようなり行きしは、時の拍子の出来事なが....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
道の秘密を聞き得たと思ってまた心をおののかせる。「定家もつての外作りにて、西行称
所天下第一候、是猶以歌作にてと書たる由、……其後常光院(尭孝)にて、直ちに此事聞....
「藍微塵の衣服」より 著者:田中貢太郎
これは東京の芝区にあった話である。芝区の某町に質屋があって、そこの女房が五歳か六歳になる女の子を残して病死したので、
所天は後妻を貰った。 後妻と云うのは、気質の従順な、何時も愉快そうな顔をしてい....
「女賊記」より 著者:田中貢太郎
板へ引附いて、姿を隠す術を使う者がある」 「板女は切支丹の残党らしい」 「板女は
所天のような壮い※な男を伴れている」 「一昨日の夕方、板女のような※な女が、某家....
「春心」より 著者:田中貢太郎
には、皆が人の道を守って、子は親に孝行するし、兄弟は仲好くするし、女房は女房で、
所天を大事にしなくちゃならん、その女房が
所天を痴にして、品行の悪いことをしよると....
「ある神主の話」より 著者:田中貢太郎
き止めた。女は勘作の手を揮り放して飛び込もうとする。二人が争っているところへ女の
所天はじめ隣家の者が三四人やって来た。勘作は女を渡して帰って来た。 水の男はも....