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「所定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所定の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出世」より 著者:菊池寛
訳するのにも、一時間近くもかかった。その六、七百ページを、ことごとく訳し終って、所定の稿料を貰える日は、茫漠としていつのことだか分からなかった。それでも彼は、勇....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
日、朝早くから起きて朝飯もろくろく食わずに玉造にある製薬会社へ駆けつけてみると、所定の時間には未だ一時間あった。半時間も早く出頭するのは癪だとふと思ったから、門....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
と。円満鼻と申します。これも変えなければいけますまい。親に別れ良人に別れ、生涯住所定まらず、轗軻不遇に世を送る、鷹嘴鼻に変えることに致しましょう」 源之丞は隣....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
郎氏で、立会検事は小塚氏、弁護人は能勢氏外三名、私訴を提起した二会社の代理人等、所定の席に居流れた。支倉喜平は見るから不敵の面魂で、臆する色もなく被告席に控えて....
超人間X号」より 著者:海野十三
の輪がかけられていた。それに向かって、十メートルはなれて、執行官と教誨師が並んで所定の席についていた。おりから東の空からのぼりはじめた月が明かるく、この死刑場を....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
分って居れば、この時限管の適当なるものを壊しておいてから起動棒を抜くと、ちゃんと所定の時刻に回転を始める仕掛になって居る。目的地へこの箱のつくのは何時間後じゃな....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
者もあった。 皆は一旦解散したのち、自分の荷物をまとめると、また飛行島の甲板の所定の位置へ帰ってきた。爆笑の花園みたいである。誰の機嫌もいい。 そのうちに、....
暗号数字」より 著者:海野十三
。 帆村は十分の仕度をして、木村氏にいわれたとおり、三十分のちには日比谷公園の所定の場所に立っていた。 それから五分おくれて、形は大きいセダンではあるが、型....
外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
延期することもならず、会はそのまま開かれた。しかし、招かれた客は一人も欠席せず、所定の時間には、所謂綺羅星の如く着飾った婦人連と、夜会服に身を固めた男子連が、雲....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
て、処刑を延期すべきことを命じた。二十四日には、もう一度勅使をやり、やはり処刑は所定の期日たる明日行なうが宜しいといった。そして法の運用に関しては、以後再び妨害....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
間の菜っ葉服の恐慌は、何とまた高麗鼠のようではないか。 積まれ積まれる白紙は、所定の、高さに層むと、目の廻る速度でまた除去して、空にし、空へまた奔って来て乗る....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
癈牛馬死牛馬の上に処理の権利を有するものであったのだ。したがって彼らはその牛馬が所定の捨場に委棄せらるるを待ってこれを拾得するばかりでなく、しばしば通告を受けて....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
うはけだしその略で、或いはそれをもクグツと云った。これを遊行女婦と云っても、常に所定めず浮浪してのみいるのではなく、都合のよい所に住みついては、そこで半定住的の....
放免考」より 著者:喜田貞吉
ののあることを知らないのである。 放免囚とは罪を犯して一旦投獄せられた囚人が、所定の刑期を終って出獄放免せられたものの名称である。しからばその放免囚が、特別に....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
床から成る峡谷では、変りたくも容易に変れるものではない。唯だ削り出された石の屑が所定めず漂積するに過ぎない。行く行く豪壮の景を賞しながら、七時半釜沢の出合に達し....