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「所帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
々|極が悪くって、しばらく、背戸へ顔を出さなかった。 庭下駄を揃えてあるほどの所帯ではない。玄関の下駄を引抓んで、晩方背戸へ出て、柿の梢の一つ星を見ながら、「....
婦系図」より 著者:泉鏡花
して置くだろう、こんな実のある、気前の可い……」 「値切らない、」 「ほんによ、所帯持の可い姉さんを。分らない旦じゃねえか。」 「可いよ。私が承知しているんだか....
海異記」より 著者:泉鏡花
く煙も一列に、おなじ霞の藁屋同士と、女房は打微笑み、 「どうも、三ちゃん、感心に所帯じみたことをおいいだねえ。」 奴は心づいて笑い出し、 「ははは、所帯じみね....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
意はしてあったが、わざと消したくらいで、蝋燭にも及ぶまい、と形だけも持出さず――所帯構わぬのが、衣紋竹の替りにして、夏羽織をふわりと掛けておいた人がある――その....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
もってまァほんとにかわいいものね、子どものうれしがって遊ぶのを見てるときばかり、所帯の苦労もわが身の老いぼけたのも、まったく忘れてしまうから、なんでも子どものあ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
が生きていて、それが井筒屋の主人であった)の思いやりで、台どころ道具などを初め、所帯を持つに必要な物はほとんどすべて揃えてもらい、飯の炊き方まで手を取らないまで....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
事を――これは翌朝の分を仕掛けておくのでございますよ。 晃 翌朝の分――ああ、お所帯もち、さもあるべき事です。いや、それを聞いて安心したら、がっかりして余計空い....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、山から下りて来るという、この人々に対しては、(じれった結び)なぞ見せはしない、所帯ぎれのした昼夜帯も(お互に貧乏で、相向った糸七も足袋の裏が破れていた。)きち....
多神教」より 著者:泉鏡花
の娘か。 お沢 (わずかに頭ふる。) 神職 人妻か。 禰宜 人妻にしては、艶々と所帯気が一向に見えぬな。また所帯せぬほどの身柄とも見えぬ。妾、てかけ、囲ものか、....
深川女房」より 著者:小栗風葉
るような始末で、まるで旅へでも来た心持なんだからね。まあ家でも持って、ちゃんと一所帯構えねえことにゃ女房の話も真剣事になれねえじゃねえか」 「そりゃ、まあね」と....
おせん」より 著者:邦枝完二
あった。 七|軒長屋のまん中は縁起がよくないという、人のいやがるそんまん中へ、所帯道具といえば、土竈と七|輪と、箸と茶碗に鍋が一つ、膳は師匠の春信から、縁の欠....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
たがいをしたのでも何でもない。選んだ夫の貧しい境遇に、安処して、妹の嫁入さきから所帯の補助は肯じなかった。あの時、――橋で中よく遊んでいた男子たち、かえって、そ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
い。」 「ざまあ見やがれ、俺が寄席へ行くのを愚図々々吐しやがって、鉄さんだってお所帯持だ、心なくッて欠厘でも贅な銭を使うものかい、地震除だあ、おたふくめ、」 「....
式部小路」より 著者:泉鏡花
談を極めましてね、夏のこッたし、わけはありません。仕事着一枚の素裸。七輪もなしに所帯を持って、上げた看板がどうでしょう、人を馬鹿にしやがって!――狐床。」 「そ....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
ち働いて炊事を手伝った。小柄で、袖なしなどを色気なく着て、こそこそ背中をまるめ、所帯じみて見えた。それが何か哀れだった。器量もたいして良くなかった。 三年は瞬....