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所思
「所思〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所思の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
しる》して行く。しばらくして出来上ったようだ。始めから読み直して見る。 出門多
所思。春風吹吾衣。芳草生車轍。廃道入霞微。停※而矚目。万象帯晴暉。聴黄鳥宛転。観....
「縮図」より 著者:徳田秋声
場を処分して、藤本へ入って来たのだったが、入れてみると、ちぐはぐの親父と、銀子の
所思どおりに行かず、師匠の立場も香しいものではなかった。親父と銀子は、時々師匠の....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
新吉には一つの気休めであった。お作には、ここを切り詰めて、ここをどうしようという
所思もないが、その代り|鐚一文自分の意志で使おうという気も起らぬ。ここへ来てから....
「足迹」より 著者:徳田秋声
聴かされた。火災保険の重立ちの役員であった媒介人の中村の言うことには、お袋などの
所思とはまた違ったところもあった。中村は爺さんやお袋やお庄の顔を揃えている折にも....
「細木香以」より 著者:森鴎外
物や江戸鰹 自傲 霧晴て皆こちら向く山のなり 寒川 鰺切の鈍くも光る寒さかな
所思 わびぬれば河豚を見棄てて菜大根 絶筆 己れにも厭きての上か破芭蕉 明治....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
師の妻の夢枕に立ったのだそうでございます。私としては別にそんなことをしようという
所思はなく、ただ心にこの正直な婦人をいとしい女性と思った丈のことでしたが、たまた....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
ここに再び活動を開始せり。そは婦女子に実業的の修養をなすの要用ありと確信し、その
所思《しょし》を有志に謀《はか》りしに、大いに賛同せられければ、即ち亡夫の命日を....
「書記官」より 著者:川上眉山
なる思い、少しはいじめて困らせて、渋々我意に従わせて、そして一しょに帰らんとの、
所思の張合いを抜かされたるが、乙女心の気に入らず、初めよりして構いつけられぬが、....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
はのりうちなびき、こころもしぬにおもほゆるかも」(海原之奥津縄乗打靡、心裳四怒爾
所思鴨)である。そしてその巻十五の歌は「わたつみのおきつなはのりくるときと、いも....
「挿話」より 著者:徳田秋声
めに運んできて、その翌日あの大地震があったのだが、纏めていった姪の縁談が、双方|
所思ちがいでごたごたしていて、その中へ入る日になると、物質的にもずいぶん重い責任....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ら厭にせよ記臆のある人間の口から出せた言葉でござりまするか、親方様の手前お吉様の
所思をもよくとっくりと考えて見て下され、妾はもはやこれから先どの顔さげてあつかま....