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所書
「所書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
なんだか張合《はりあい》ない疲労ばかりが残った。会葬者の名刺を束にする。弔電や宿
所書きを一つにする。それから、葬儀式場の外の往来で、柩車の火葬場へ行くのを見送っ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
引き具して、白昼、修理の屋敷を立ち退《の》いた。作法《さほう》通り、立ち退き先の
所書きは、座敷の壁に貼《は》ってある。槍《やり》も、林右衛門自ら、小腋《こわき》....
「セメント樽の中の手紙」より 著者:葉山嘉樹
でしょう。
お願いですからね。此セメントを使った月日と、それから委《くわ》しい
所書と、どんな場所へ使ったかと、それにあなたのお名前も、御迷惑でなかったら、是非....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えっへへ。おいでだね。いずれこんなことにもなろうと思って、ふところ日記にちゃんと
所書きも名まえも書き止めておいたんだ。回るはいいが、回って洗って何をするんですか....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
の予定も知りたい。どうすればどこで会えるか、その方法も知りたい。また取りあえずの
所書きももらって置きたい。自分の
所書きも渡したい。ああも、こうもしたかった。それ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
家に勤めていた勝見伍策を警察の手で呼びよせて呉れるように、彼が残して置いた郷里の
所書を示して頼みました。そして警官の案内で、その築地の某ホテルへ、すすまぬ足を運....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
平の宅を捜査すべく手続をしたのだった。 大正六年三月二十六日午後予審判事、裁判
所書記の一行を乗せた自動車は突如として支倉の家の前に止まった。 静子は子供を連....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
彼はペンを取上げて、一字ずつゆっくりとお手本通りに自分の名前を書き写した。そして
所書きの辺まで来ると、仕事が余り難しいので、もじもじするらしく見えたが、それでも....
「思い出すこと」より 著者:宮本百合子
の人の為には出来るだけ親切にしますから」 「――有難う……」 帽子に手をかけ、
所書を貰って彼は出て行った。 「偉いことを云いますね」 男は、皆の顔をぐるりと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
エの悲しみと衰弱とが彼の心につきまとっていた。がついにある日、彼女からもらった住
所書きを見出して、彼は思い切って訪問した。 階段を上ってゆくとき、職人らが金槌....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
はふくろにマルコの着物を入れ、マルコのポケットにいくらかのお金を入れ、おじさんの
所書をもわたしました。マルコは四月の晴れた晩、船にのりました。 父親は涙を流し....
「野萩」より 著者:久生十蘭
ルギー》からお出迎いに罷りでたんじゃないの」 「それは、あたしじゃない。滋さんの
所書きを出るとき忘れてきたもんだから、打ちたいにも打ちようがなかった」 「でも、....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
」 私たちは暗室を出て再び応接室に戻りました。 「いったい、この本郷云々という
所書きは何でしょう?」 と私は小田さんに尋ねました。 「そうだねえ、死んだ男の....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
は小石川なる父の家の門札《もんふだ》に、第四|大区《だいく》第何小区何町何番地と
所書《ところがき》のしてあったのを記憶している。東京府が今日の如く十五区六郡に区....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
》からこうしてお出迎いに罷りでたんじゃないの」 「それはあたしじゃない。滋さんの
所書き日本へ忘れてきたから、うとうにもうちようがないじゃないの」 「でも、あなた....