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所有権
「所有権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所有権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
は、もともと所有慾というものは薄く、また、たまに幽かに惜しむ気持はあっても、その
所有権を敢然と主張し、人と争うほどの気力が無いのでした。のちに、自分は、自分の内....
「作家の手帖」より 著者:太宰治
れこそ、なんでもない事だ。貸すという言葉さえ大袈裟なもののように思われる。自分の
所有権が、みじんも損われないではないか。御不浄拝借よりも更に、手軽な依頼ではない....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
に着す。全身は肌迄|湿うたり。夜中熟眠す。夜半独り覚めて「ニオトマム」の成効して
所有権を得るの後を思うて、尚全身若がえりたるを覚えたり。ああ昨日馬上にて全身の冷....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
一つで、それを今日になってひそかに掘り出しに来るのではあるまいか。今日では土地の
所有権が他人に移っているので、表向きに交渉するの面倒を避けて、ひそかに持ち出して....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
がうから論戦にならない。六法全書の論法はフシギに通用の力を失ってしまう。ナイフの
所有権は信二の手に帰する結末になるのである。 この鋭鋒は彼の裏庭のタケノコのよ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
けないわ。そんなこと」 「バカだなア。キミは。土の中に埋められている阿片は誰にも
所有権がないのさ。それを持って帰って所持している者に
所有権が生じるだけさ」 「あ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
にやるときめた金でも、フトコロにあるうちは、ミレンの去りがたいものがある。他人に
所有権が移ってしまえば否も応もない。自然にサッパリしてしまう。 十万円で人の信....
「穴」より 著者:岡本綺堂
に一つで、それを今日になってひそかに掘出しに来るのではあるまいか。今日では土地の
所有権が他人に移っているので、表向きに交渉するの面倒を避けて、ひそかに持出して行....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
新以来今日まで殆ど変化というものがなく続いており、土地の国有が行われ、農民が土の
所有権と分離して単に耕作する労働者とならない限り、この関係に本質的な変化は起らぬ....
「もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
つけてヒョイとつまんで肉のザルの方へ投げる時でも、この火葬係りほど大らかに自分の
所有権を信じこんでいるかどうか疑わしいほどだった。しかし、それを目にとめた私も無....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
僕に出ろという。甚だ厄介である。今時分転任せんでもの事であるのにと思う。然し向は
所有権があるから出なければならない。君どうですか、いい所を知りませんか。あったら....
「審判」より 著者:カフカフランツ
普通だよ」 Kはこんな話にほとんど注意をはらっていなかった。自分の持物に対する
所有権というものはおそらくまだあるはずだが、彼はそんなものをあまり重んじていなか....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
されなければならない。 みな何等かの形式の下に、あるいは私有かあるいは国有かの
所有権の維持を欲している。財産を使用し濫用する権利の維持を欲している。仕事による....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
の親類の蝸牛の、あの角の上に一平方ミリメートルにも足らぬ空間があるのじゃが、その
所有権を主張して、毎日、毎日、ああやって騒動をしているのじゃ。雨が降ろうが、風が....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
すます増殖し、彼らに対する社会の軽侮圧迫は、ますます甚だしくなった。しかも土地の
所有権が確定して、容易に新地を開くことも出来ずなっては、局限されたる地域外に、そ....