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所知
「所知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所知の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
「京ちゃん、あんた……」 芳子はちょっと言いにくそうに、 「――元橋さんの居
所知らない……?」 「元橋さん……? そんな男……」 知るもんか、おれきいたこ....
「行人」より 著者:夏目漱石
ほがら》かな響を聞いて、はっと悟《さと》ったそうです。そうして一撃《いちげき》に
所知《しょち》を亡《うしな》うと云って喜んだといいます。
「どうかして香厳になり....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。思い悩みて七日食わず。その時家人報ずらく、飼い置いた白い牡鶏が、この七日間往き
所知れずと。因って一同尋ねてその白鶏が架墻《かしょう》の上に坐せるを見出すに、左....
「漱石の「行人」について」より 著者:宮本百合子
感情、父、弟からの人間として遠い感情、この一郎の暗澹とした前途をHさんは「一撃に
所知を亡《うしな》う」香厳の精神転換、或は脱皮をうらやむ一郎の心理に一筋の光明を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る。近在または江戸などより、これを聞きに行く人多し。方十町に響きて、はじめはその
所知れざりしが、次第に近く聞きつけ、その村の産土神《うぶすな》の森の中なり。折と....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
つかうような格好のものを入れて洋服を着ていた時代である。江の島か鎌倉へゆくと、近
所知己からお留守見舞というものをくれて帰ってくるとあの子は洋行をして来た――嘘《....
「文学の中の科学的要素」より 著者:寺田寅彦
沌たる状態においては自分もなければ世界もない。そのような状態が分裂して、能知者と
所知者が出来る事によって、始めて認識が成立し始める。そこから色々な観念が生れ、観....
「漫画と科学」より 著者:寺田寅彦
学は主として物質界の現象に関係しているために、換言すれば人間の能知と切り離された
所知者自身の間の交渉に関しているために、科学上の方則は科学者の個性と切り離され、....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
だった。 「もしもし、こちらは文芸春秋のSですが、武田さん……そう、武麟さんの居
所知りませんか。え、なに? あなたも探しておられるんですか。困りましたなア」 ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 「ふウム……」と聞いていたが機嫌が悪い。 「よろしくない心配だな。目明しの居
所知らず、または岡ッ引の起き抜け千里などと申して、職業がら是非ないことだ。それを....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
なしに暮れようとしている。 「薄情というのか、男気というものか。いくら目明しの居
所知らずといっても、家や女房まで忘れてしまわなくってもよさそうなものだけれど……....
「俗臭」より 著者:織田作之助
三本吸ってから、話の要点に触れた。 「実は千恵さんのことやが、あんた千恵さんの居
所知ってるのやろ」 「……………………」 伝三郎はあわてゝ坐り直した。座蒲団が....