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「所行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
ろう。狂人は有為《エフィシエント》じゃないに違いない。が、その差別は人間が彼等の所行《しょぎょう》に与えた価値の差別だ。自然に存している差別じゃない。」 新田....
慈悲」より 著者:岡本かの子
たとする。それは慈悲に似て非なるものであります。おだてに乗った、うかつものの愚な所行です。そんな時、ものを遣《や》る代りに、そのなまけ者のお上手者の頬に平手の一....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
勢力を占めて、その役目を云いつけられた武士どもは、身分柄にもあるまじき拐引同様の所行をくり返すことになったのである。 それほど苦心した甲斐があって、その計略は....
婦系図」より 著者:泉鏡花
行詰った鼻の下へ、握拳を捻込むように引擦って、 「憚んながらこう見えても、余所行きの情婦があるぜ。待合へ来て見繕いで拵えるような、べらぼうな長生をするもんか....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ったまま、しごきになっている白縮緬や、裏つき水色縮緬の裾よけ、などがある。妻の他所行き姿が目の前に浮ぶ。そして昔の懐かしいかおりまでが僕の鼻をつく。 「行って来....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
来る。黒っぽい絽の羽織の着流し姿で小さいケースを携げて居る。真新らしい夏帽子も他所行らしく光っている。私に近づいた氏は、「やあ。」と咽喉に引き込んだような声で笑....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
の間に斯る大軍が此の地に来れる。天よりは降りけん地よりは湧き出でけん、誠に天魔の所行なりとさしもに雄る武田の勇将猛士も恐怖の色を顕し諸軍浮足立つてぞ見えたりける....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
たる悪党なり。其故に洛中洛外の諸社、諸寺、五山|十刹、公家、門跡の滅亡はかれらが所行なり。ひとへに昼強盗といふべし。かゝるためしは先代未聞のことなり」 そして....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
、ただの草ッ葉なんですけれど、奥さんがそうしてお活けなさいますと、お祭礼の時の余所行のお曠衣のように綺麗ですわ。 撫子 この細りした、(一輪を指す)絹糸のような....
黒百合」より 著者:泉鏡花
着換えたお雪を見た。繻子の帯もきりりとして、胸をしっかと下〆に女|扇子を差し、余所行の装、顔も丸顔で派手だけれども、気が済まぬか悄然しているのであった。 「お婆....
三枚続」より 著者:泉鏡花
じゃあないか。片腕ッていう処だが、紋床の役介者は親方の両腕だ、身に染みて遣りゃ余所行の天窓を頼まれるッて言っていたものがあるよ、どうだい。」 「へ、……どういた....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
他の多数の観客に迷惑をあたえるというのは、かの大向うの徒と択ぶところなき無作法の所行であると、さんざんに痛罵した。劇評家側ではそれに対して応戦する者もなく、結局....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
うな無茶な気風があった。学校を出てから阿弗利加へ探険に行ったりした男だが、平常の所行も、やにわに日本刀を引抜いて振り廻して見せるというふうだったし、酔うとまた酒....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
とする。それは慈悲に似て非なるものであります。おだてに乗った、うかつものの愚かな所行です。そんな時、ものをやる代りに、そのなまけ者のお上手者の頬に平手の一つも見....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
。 『なるほどみんな散歩に出て来たという感じだね。』と友達がいった。 『それも他所行き気分でなく、ちょっとゆかたがけといったような軽い気持でね。だから何となく気....