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「扁舟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

扁舟の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
作る人も、詩を読む人もみんな、西洋人にかぶれているから、わざわざ呑気《のんき》な扁舟《へんしゅう》を泛《うか》べてこの桃源《とうげん》に溯《さかのぼ》るものはな....
石狩川」より 著者:本庄陸男
と棹を鞭《むち》のようにひらめかした。しぶきが彼らを包んでときどき見えなくした。扁舟《へんしゅう》と云うよりもまだ危げであった。大きな波のうねりが姿をかき消し突....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
どうか考えてみたまえ。 こうして財布の底までハタイてしまうと、明日は又「一葉の扁舟、万里の風」だ。「海上の明月、潮と共に生ず」だ。彼等の鴨緑江節を聞き給え……....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ぎよしよう》シ、魚鰕《ぎよか》ヲ侶《つれ》トシ、麋鹿《びろく》ヲ友トシ、一葉ノ扁舟《へんしゆう》ニ駕シ、匏樽《ほうそん》ヲ挙ゲテ以テ相属《あひしよく》ス、蜉蝣....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
送ることを 白雲一片去つて悠々 青楓浦上愁ひに勝《た》へず 誰《た》が家ぞ今夜|扁舟《へんしう》の子は 何れの処ぞ相思ふ明月の楼 憐れむべし楼上|月《つき》徘徊....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
を企てたのである。両舷に、長桁のついた、“Prau”にのって……かれは絶海をゆく扁舟の旅にでた。そして、海洋冒険の醍醐味をさんざん味わったのち、ついに九月二日の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
らなかった。武蔵のあまりにも淡々とした姿が。 空をゆく一片の白雲。 水をゆく扁舟の上の人。 同じようにすら見えるのであった。 だが、佐助の眼にも、そう怪....
三国志」より 著者:吉川英治
、わざと、綸巾をいただき、道服をまとい、一|壺の酒と、一人の童子をのせただけで、扁舟飄々、波と風にまかせて、呉の陣へ下って行った。 「われは周都督の旧友である。....