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扇骨
「扇骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
扇骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
通用する。窓掛の隙間《すきま》から硝子へ顔を圧《お》しつけて、外を覗《のぞ》くと
扇骨木《かなめ》の植込《うえごみ》を通して池が見える。棒縞《ぼうじま》の間から横....
「門」より 著者:夏目漱石
半町ほど逆に戻らなければ、坂井の門前へは出られなかった。宗助は石の上へ芝を盛って
扇骨木《かなめ》を奇麗《きれい》に植えつけた垣に沿うて門内に入った。 家《いえ....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
が多いくらいにしていた。はじめそこへ移ってきた翌る日であったか、藤さんがふと境の
扇骨木垣の上から顔を出して、 「小母さま。今日は」と物を言いかけたのが元であった....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
車には、乳母らしいのが友禅の美しい着物に包まれた女の児を抱いて居る。玩具など幌の
扇骨に結いつけてある。今日は十一月の十五日、七五三の宮詣でに東京に往った帰りと見....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
報じゃ。」 「なにしろ、凝ってこって凝り抜いたもんでわしょう? どうですい、この
扇骨《ほね》の色は。十本物だが、磨きは、自慢じゃあねえが、蘭法でも、ちょいと新し....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
都は花落ちて、春漸く暮れなんとする四月二十日、森青く雲青く草青く、見渡すかぎり蒼茫たる青山の共同墓地に入りて、わか葉の
扇骨木籬まだ新らしく、墓標の墨の痕乾きもあえぬ父の墓前に跪きぬ。父はこの月の七日....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
は夢にも思い及ばなかった。柳|椎《しい》樫《かし》杉椿なぞの大木に交《まじ》って
扇骨木《かなめ》八《や》ツ手《で》なぞの庭木さえ多年手入をせぬ処から今は全く野生....