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手
「手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
が一人《ひとり》、十二三歳の少年と一しょにぶらぶら仲店を歩いている。少年は父親の
手を離れ、時々|玩具屋《おもちゃや》の前に立ち止まったりする。父親は勿論こう云う....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
武芸の仕合《しあい》があった時、彼は表芸《おもてげい》の槍術《そうじゅつ》で、相
手になった侍を六人まで突き倒した。その仕合には、越中守《えっちゅうのかみ》綱利《....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
いですか? 占いは当分見ないことにしましたよ」 婆さんは嘲るように、じろりと相
手の顔を見ました。 「この頃は折角見て上げても、御礼さえ碌にしない人が、多くなっ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
度もない。唯、この弟たるべき自分が、時々向うの好意にもたれかゝって、あるまじき勝
手な熱を吹く事もあるが、それさえ自分に云わせると、兄貴らしい気がすればこそである....
「狂女」より 著者:秋田滋
に、今にも殺されでもするかと思われるように、声をたてて泣き喚くのだった。まったく
手がつけられない。で、この女はしょッちゅう寝かしっきりにされていて、身のまわりの....
「墓」より 著者:秋田滋
って吠えながら、頻りに戸の下のところを嗅いでいる。そこで墓番のヴァンサンは、銃を
手にして、四囲に気をくばりながら戸外へ出た。 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
のだ。 そうした「動機もなく我とわが生命を断った」人間の一人が書き遺していった
手記がその男のテーブルの上に発見され、たまたま私の
手に入った。最後の夜にその男が....
「初雪」より 著者:秋田滋
ばしい花園のかおりを胸一ぱい吸い込むのだった。 そうして彼女はその思い出の糸を
手繰りながら、じッと物思いに耽るのだった――。 * * ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
予は越後三条の生れなり。父は農と商を兼ねたり。伯父は春庵とて医師なり。余は父よりは伯父に愛せられて、幼きより
手習学問のこと、皆な伯父の世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
商店の番頭をしておった人もある。後までも心易く交際しておった。アボットと往復した
手紙をして困るというような事も述べてある。ファラデーは随分と物忘れをして、困った....
「寡婦」より 著者:秋田滋
水、びッしょり濡れた草、湿った地面からあがって来る水分がからだを包んでしまう。射
手たちはこのひッきりなしに襲ってくる水攻めに絶えず身をかがめ、犬も悲しげに尾を垂....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
くらいのものだ。 思いおこしてみると、わたしがまだ少年のころはじめて栗鼠射ちで
手柄をたてたのは、この渓谷の片側に茂っている高い胡桃の木の林だった。わたしがその....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
も明けないと云う可愛がり方。そして、車大工とその女房は、交わるがわるその一粒種を
手にとって、撫でたり擦ったりしていた。 その子供が五つになった時のことである。....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
万人のひとを殺させたとする。すると、国家は戸籍簿からそれらの人の名を消し、書記の
手で除いてしまう。ただそれだけのことだ。ところが、われわれ、役場の書類を変えるこ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
越して平原の見えるところまで来た時、坂の下の方で伊作が一生懸命に二人の方を見て、
手を振っているのが、見えました。 「どうしたんだべいな? 伊作あ、己らを呼んでる....