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手すり
「手すり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手すりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ない――そんな事もはっきり感じられた。彼はすぐに立ち上ると、真鍮《しんちゅう》の
手すりに手を触れながら、どしどし梯子《はしご》を下りて行った。
まっすぐに梯子....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
は舞台を見ずに、彼自身の記憶に浸《ひた》り出した。柳盛座《りゅうせいざ》の二階の
手すりには、十二三の少年が倚《よ》りかかっている。舞台には桜の釣り枝がある。火影....
「少年」より 著者:芥川竜之介
い神秘を感じさせたのは事実である。彼は海へ張り出した葭簾張《よしずば》りの茶屋の
手すりにいつまでも海を眺めつづけた。海は白じろと赫《かがや》いた帆かけ船を何艘《....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
の心理に興味を持っていたのですが。)M子さんは幾分か拗《す》ねたようにこう言って
手すりを離れました。
「じゃまた後《のち》ほど。」
M子さんの帰って行った後《....
「母」より 著者:芥川竜之介
た花は、この間《あいだ》に女中が取り捨ててしまう。二階三階の真鍮《しんちゅう》の
手すりも、この間に下男《ボオイ》が磨くらしい。そう云う沈黙が拡《ひろ》がった中に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ら初子《はつこ》へ眼を移して、
「民雄さんはそりゃお強いの。さっきもあの梯子段の
手すりへ跨《またが》って、辷《すべ》り下りようとなさるんでしょう。私|吃驚《びっ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
原、穂の中から二十日近くの月を遠く沖合の空に眺めて、潮が高いから、人家の座敷下の
手すりとすれずれの処をゆらりと漕いだ、河岸についてるのは川蒸汽で縦に七|艘ばかり....
「画室談義」より 著者:上村松園
は、そのまま黙って通り過ぎてゆくものもあり、朝や午後からの陽あたりのいい時間には
手すり廊下の一個所で、まことに心持ちよげに一刻の睡をむさぼってゆく。 ちょうど....
「階段」より 著者:海野十三
それはわずかに人一人を通せるほどの狭さで、鉄板を順々に螺旋形にずらし乍ら、簡単な
手すりと、細い支柱で、積み重ねて行ったものだった。思わずその下に立ち寄って上を見....
「海底大陸」より 著者:海野十三
が聞こえて来た。アーアと大きなあくびをする者もあった。船長は階段をのぼりながら、
手すりにぶらさがってコックリコックリいねむりをしていた。ロボット操縦装置を持った....
「海底都市」より 著者:海野十三
うだいりせき》を貼《は》りめぐらし、黄金色《こがねいろ》まばゆきパイプを窓わくや
手すりに使ってあった。 「ほう、なかなか感じのいい店だ、さぞ料理もおいしいであろ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
彦、しっかりするんだよ」 と、帆村探偵は一彦をはげまし、三階につづく螺旋階段の
手すりに手をかけました。 2 怪塔王の部屋は、いよいよこの階段を一つ....
「火星探険」より 著者:海野十三
、山木が元気な声で叫んだ。 と、デニー博士がよろよろとよろめきながら、指揮台の
手すりを力に立上った。 「マートン技師。重力中和機を調整するのだ。着陸用意。舵を....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
をぐずぐずしているんだ。船首の方へ匍いあがれ。そして氷にとびつくんだ」 大佐は
手すりにぶらさがって叫んだ。 もういけない。めりめりという船腹をくだく物凄い音....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
て、しきりにオリオン星座のあたりを六分儀で測っていたが、やがて器械を下に置くと、
手すりのところへ近づいて、下にいるミドリの名を呼んだ。 「ねえ、ミドリさん……」....