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「手に乗る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手に乗るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青木の出京」より 著者:菊池寛
は思った。青木のこんな声色《こわいろ》は、もう幾度でもききあきている。今更こんな手に乗るものかと思った。が、青木はまた言葉を継いだ。 「実は明日の四時の汽車で帰....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
人違いだよ」 「馬鹿をお云いな、何を云うんだ。そんな老人の作り声をしてさ。そんな手に乗るものか」 「いや本当だ、そんな者ではない。私は赤の他人なのだ。まあ其処か....
無惨」より 著者:黒岩涙香
一寸と君の智恵を試して見たのだ」大鞆は心の底にて「ナニ生意気な、人を試すなどと其手に乗る者か」と嘲り畢ッて「夫なら本統の所ろアレは何の傷だ(谷)夫は未だ僕にも少....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
いるかも知れないのです」 「黙れ」 根岸刑事が呶鳴った。 「この根岸がそんな甘手に乗ると思うか。貴様の宅に支倉から手紙が来たか来ないか位はちゃんと調べてあるぞ....
雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
首を傾げてさも困ったというようにした。 「いくら俺をだまそうとしたって、もうその手に乗るものかい、この妖怪」 許宣の後から出てきた王主人は、許宣に門前でやかま....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
「じゃ私はどうすればいいんでしょう。先生の気持はよく解るけれど、ジャアナリストの手に乗るということがありますかよ。あの人たちだって、まさか先生のしゃべりもしない....
安重根」より 著者:谷譲次
集って僕を押し出して、この手で伊藤を殺させようとしているんです。(独語)誰がその手に乗るもんか。 李剛 (不思議そうに)君は何を苦しんでいるのかね。 安重根 (....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
せて、大儲けをしようというわけだよ。なあに、爆発なんぞしやしないよ。うっかりその手に乗るやつが大莫迦さ」 と、一笑に附した。 「ああなるほど。これもやっぱり金....
人造人間事件」より 著者:海野十三
は、ちょっと顔を見合せた。 「オイ丈太郎。君はなかなか芝居がうまいようだが、その手に乗るようなわれわれでないぞ」 と、大江山は一喝をくらわせた。 「なにが芝居....
雪の夜」より 著者:小林多喜二
言って、「もう何も言わないよ。その代り今度来たら話す」 「――もう来ないよ。その手に乗るもんか」 女は女体を振っておおげさに笑った。龍介は不快になった。そして....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
乗馬で」 禮「へえー、馬の乗り様を心得て居りましたかな」 圖「馬は私よりは余程上手に乗る、蒔絵の鞍に月毛のたくましい馬に跨がって、馬足を止めて小原山の中央に立っ....
蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
を傾けて、さも困ったと云うようにした。 「いくら俺をだまそうとしたって、もうその手に乗るものかい、この妖怪」 許宣の後からやって来た王主人は、許宣が門前でやか....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
、そいつを教えてなるものか。ふふん、そうよなあ、こっちかも知れねえ」「へん、その手に乗るものか。こいつだ、こいつに違えねえ」 六蔵は松葉をヒョイと抜いた。 「....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
そのような出鱈目を云うことによって、こっちの心を惑わすのであろう。フフン、その手に乗るものか) こう思ったからである。 「主税!」と頼母は吼えるように喚いた....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
の廻し者よ! 贋金だ贋金だと嘘を吐き、かっさらって行こうとしたんだわ! そんな古手に乗るものか! 電話ではいけない、行って来ましょう。行って店員を引っ張って来ま....