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手に握る
「手に握る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手に握るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薤露行」より 著者:夏目漱石
ぬ。ギニヴィアはつと石階を下《くだ》りて、乱るる百合の花の中より、エレーンの右の
手に握る文《ふみ》を取り上げて何事と封を切る。 悲しき声はまた水を渡りて、「…....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
、その人物が立身出世をするように極力宣伝し、遂に今日我国の要路要路の実権を彼等の
手に握るようにまで後援したのです。×国の参謀本部の命令一下、彼等×探は、いやが応....
「蠅男」より 著者:海野十三
内のスイッチをひねって、室内の灯りを消した。それからポケットからピストルを出して
手に握ると、人口の扉の錠を外した。そして床に腹匍いせんばかりに跼んで、扉をしずか....
「プロレタリア文学における国際的主題について」より 著者:宮本百合子
ず被搾取者としてのプロレタリア・農民が南アフリカの隅にまでも存在する。 各々の
手に握る鋤の形が違うように、機械が違うように、各国の闘争の細部にわたる具体性はあ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
を上げたほどである。 つと立ち上がった葉之助はわずか一尺二寸ばかりの短い竹刀を
手に握ると仕度もせず進み出た。 「あいや鏡氏、お仕度なされ」 見兼ねたものかこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
骸を、島原|界隈《かいわい》で見つけることができる。そして新撰組の実権を自分の一
手に握る、これを根拠としてやがて一国一城の望みを遂げようという。 ところが、そ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
来る。そこで彼は大きなため息を二つ三つして、はじめて瀬戸物製の大きなスプーンを左
手に握るのである。彼は、左ききである。
「ああ、これゃ熱くて、口の中が火になるぞ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ポケット猿に星を見物させていた。洋隠猿はアマゾン流域に特産する小さな小さな猿だ。
手に握ると全身すっかり隠れて苦しいもんだから騒ぐし、胸のぽけっとへ入れてやると顔....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かえ。ほほほほほ」
不敵にほほえみながら、懐中に隠し持った匕首《あいくち》、逆
手に握ると見るまに、寄ってきた一人の脇腹をえぐるが早いか、櫛まきお藤は脱兎《だっ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
イヴォンのごとく公爵の兜をかぶるの要はなく、エスプランディアンのごとく生ける炎を
手に握るの要はなく、ポリダマスの父フィレスのごとく人間の王エウフェテスから贈られ....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
快な眩暈に、私は酔うことを好んだ。 長い間、私はいろいろのものを求めた。何一つ
手に握ることができなかった。そして何物も掴まぬうちに、もはや求めるものがなくなっ....
「金狼」より 著者:久生十蘭
ろにいるらしい。 「出てこい、こっちへ!」 古物のなかから三稜剣をぬきだして右
手に握ると、スイッチをひねる。長椅子にむかって身構えをしながら、乾が鋭い声で叫ん....
「楢の若葉」より 著者:佐藤垢石
には、やさしい父というほか何もないのである。 鮎の姿が、眼に浮かぶ。釣った鮎を
手に握ると、父の愛が蘇る。地下の父と、鮎とが渾然としてしまうのである。 竿を差....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
かもそれが間違いのない遺憾のないという点まで押し付けての研究が出来る。まず自分で
手に握ることの出来るものでインドを研究する。前は歴史的のまた地理的のことはシナの....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
には世界が隠立はせぬ。
何も永遠の境にさまようには及ばぬ。
自分の認識した事は、
手に握ることが出来る。
そうしてこの世で日を送るが好い。
よしや怪物が出ていても....