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手をつかえる
「手をつかえる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手をつかえるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文鳥」より 著者:夏目漱石
を鳴らした。 十六になる小女《こおんな》が、はいと云って敷居際《しきいぎわ》に
手をつかえる。自分はいきなり布団の上にある文鳥を握って、小女の前へ抛《ほう》り出....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
話を促《うな》がす。 「昨夜は御忙《おいそが》しいところを……」と女は入口に近く
手をつかえる。 「いえ、さぞ御疲でしたろう。どうです、御気分は。もうすっかり好い....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
のやや不安らしい蒼白い顔が黄いろい秋の灯にうす暗く照らされていた。娘がおとなしく
手をつかえるのを待ちかねたように、師直は声をかけた。 「小坂部。早速じゃが、かの....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
お先に」 「さあ、さあ、なにも心配しないがいいぞよ」 「……すみません」 と、
手をつかえる。そして、渋紙の蒲団を引き被ごうとすると、その下から、なにか電光のよ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
蔵も思っていなかったのである。
「――しばらくでした」
座を辷って、武蔵が、両
手をつかえると、沢庵はその手を握って、
「ここは遊びの里だ、あいさつはざっとにし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
入ってきた静かな人がある。まだ三十路がらみのきれいな尼御前であった。清子の横へ、
手をつかえると。 「北の方さま。世良田のお使いには、私がまいりましょう。この尼を....