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「手を上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手を上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
前へも後へも、右へも左へも五十三十。ぬくぬくと肩さ並べて、手を組んで突立ったわ、手を上げると袖の中から、口い開くと咽喉から湧いて、真白な水柱が、から、倒にざあざ....
厨房日記」より 著者:横光利一
れたとき、一人の女詩人が盛装して新しく這入って来た。一同はその方を振り返って軽く手を上げると、またそれぞれの会話をつづけていった。すると、今まで梶の横で誰とも話....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で取扱われる。 彼等は関八州を蜂の巣のようにつき乱すと共に、江戸城の西丸へ火の手を上げる、これが天下をひっくり返す口火だと考えているものが多い。 それに比ぶ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
手を下しなさるところなんだ、どうあっても、七兵衛が先に、お前さんのお頭《つむ》へ手を上げるというわけにゃいかねえ」 「それじゃ、この剃刀の引込みがつかねえ、せっ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
る巴里。 君! 君ならどうする? まずホテルへ。BON! そら、タキシだ。手を上げる。 『キャトルヴァンデズヌウフ・アヴェヌウ・ドュ・シャンゼリゼエ――セ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
そばにやって来て、皿《さら》の中を覗《のぞ》き込んだり、また味をみまでした。少し手を上げると、袖がまくれ落ちて、肱《ひじ》の上まで素肌《すはだ》だった。クリスト....
耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
えてしまった。芳一は頭の両側から濃い温いものの滴って来るのを感じた。が、あえて両手を上げる事もしなかった…… 日の出前に住職は帰って来た。急いですぐに裏の縁側....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
云い云い元の座へ押し坐った。 と、幸蔵主も膝を揃えて、秀次の前へ坐ったが、手を上げると大広間を撫でるようにした。立ち去れという所作なのである。 これで助....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
なんだ!」 こういうと小次郎は突然に立ったが、さも悩ましいとでもいうように、両手を上げると頭を抱えた。 「つまらないことを申し上げました。姉上が無知の人間かの....
外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
なことをするのかと片唾を嚥んだが、その時首相から二|間程隔って立った松島氏が左の手を上げると、その途端に夫人の手で電燈が消されて真闇になり、次でパッと一団の火が....
上海」より 著者:横光利一
んで銃を向けた。が、それは甲谷を追って来る支那の群衆を狙ったのであった。甲谷は双手を上げると、テープを切るランナーのように感謝の情を動かさぬ唇に込めて、駐屯兵の....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
居ない。二言目には病身の人特有の癇癪《かんしゃく》を起して妻を罵しり、揚句の果は手を上げる事さえ屡々あるという事でした。現に、小田家の召使|等《ら》は、主人が妻....
澪標」より 著者:外村繁
んならやろ」 「やろ、やろ」 今度は私が勝った。たつは僅かに脇をあけたが、私が手を上げると、直ぐ腕を縮める。たつは二度、三度と同じことを繰り返す。 「なんやい....
なりひら小僧」より 著者:山中貞雄
素早く連判状を取って懐ろにする。 何をなさるとなりひら一寸驚く。 左衛門が右手を上げると、 襖を開いて数十の捕方。 七兵衛が、 T「なりひら小僧御用だ※....