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「手を打つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手を打つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
るという簡単な醸造法の特許権を、安く買い取りました。日本もいよいよポツダム宣言で手を打つらしいでンな。そうなったら、大いに今言いました事業で儲けます。あんさんの....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
で、豹一が月給を取るようになってからの分を取ることに負けてやろうと、結局そこへ「手を打つ」ことにした。幾分の思いやりだった。その代りこれまでの分は利子をつけるこ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
慢な顔色で。 「半|価値は酷うげす。植木屋だと、じゃあ鉢は要りませんか、と云って手を打つんでげすがな。画だけ引剥して差上げる訳にも参りませんで。どうぞ一番御奮発....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
29。しかし焦土と化すのは、前から分っていたことだ。それは仕方がないとして、何か手を打つべきだったと思うが、手ぬかりはなかったであろうか。 三月四日 ◯朝警報....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
た手をナッパの尻にぬぐって、 ――「紙」は? と、訊いた。 ――朝すぐ。先手を打つ必要がある。 旋盤や平鑿盤や穿削機についている仲間が、笑いをニヤ/\含....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ではない、それには互いに抜き合って身構えてからではおそい。抜き打ちに斬りつけて先手を打つのが肝要だとは、日ごろ親から言われていた少年のことだ。居合の心得は充分あ....
春昼」より 著者:泉鏡花
ていたかったですね。」 「ははは、これはおかしい。」 と出家は興ありげにハタと手を打つ。 「これはおかしい、釣といえば丁どその時、向う詰の岸に踞んで、ト釣って....
呉清源」より 著者:坂口安吾
なんです」 本因坊が、現に、日本の碁打ちとしては、最も地味な、当り前な、正確な手を打つ人なのであるが、呉清源に比べると、気分的、情緒的、浪漫的であり、結局、呉....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
の生徒が、落ちたにも百面相とはなったものです。 「ああ、そうか」 私は、ポンと手を打つかわりに灰皿を上げて、静かに莨灰を落させる。 「分りましたよ、非常時の馬....
俊寛」より 著者:倉田百三
俊寛の手をつかんで放す) 俊寛 (またしがみつく) 基康 (刀を抜き背にて俊寛の手を打つ。俊寛、手を放す)急いで漕げ。 船、岸を離れる。 俊寛 (ずぶぬれになっ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
して綴じ紙を、ギュッとばかりにひっつかんだ。が、そのとたんに何者かが、金兵衛の左手を打つ者があった。 「あッ」と金兵衛は声を上げたがもうその時には二つの品は、他....
ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
ていた。 姉も亦、姉自身の嘘を苦にやんでいた。姉は見舞客の嘘に悩んで、彼等の先手を打つように姉自身嘘ばかりむしろ騒がしく吐きちらした。それは白い蚊帳だった。電....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
キリ分らないような面倒な石を打った。 だいたい自分でもよく分らないような複雑な手を打つことが、いかなる場合においても負けの要素かも知れないが、眠り男を相手にし....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
「本家ツて――どこの」 「あなたの家の――」 ほかならぬ兄の源太郎が、もう先手を打つていると聞いて、源治は顔をかげらせた。源太郎の家では、長男が早くから樺太....
古事記」より 著者:太安万侶
人どもの著ております衣服を脱がしめて、拜んで獻りました。そこでその一言主の大神も手を打つてその贈物を受けられました。かくて天皇のお還りになる時に、その大神は山の....