手を抜く[語句情報] »
手を抜く
「手を抜く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手を抜くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
するという柄ではないし……」 「困ったな。できるだけ切りつめて、目立たぬところは
手を抜くより法はない」 「黙って家来に任しておいてもらいたいな、こんなことは」 ....
「断水の日」より 著者:寺田寅彦
構造物の材料や構造物に対する検査の方法が完成していれば、たちの悪い請負師でも
手を抜くすきがありそうもない。そういう検定方法は切実な要求さえあらばいくらでもで....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
さりませ、永生の蝶を」 「うむ」と呻いた小一郎は、グッと懐中へ手を入れたが、その
手を抜くと空高く、投げた! 何かを! 黒々と! 蝶だ! クルクルと月光を縫い、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
るにもかかわらず、その人物は、人々が騒いで掛けた革鞄の手の中から、すかりと握拳の
手を抜くと斉しく、列車の内へすっくと立って、日に焼けた面は瓦の黄昏るるごとく色を....
「キュリー夫人の命の焔」より 著者:宮本百合子
ての愛情も、母としての役目も、それから科学も、等しく同列においてそのいずれからも
手を抜くまいと覚悟していた。そうして熱情と意志をもって、彼女はそのことに成功した....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
いと深遠なのである。さて、槍よりも短いところへ入ってしまえば何でもない。お尻の十
手を抜く手も見せず槍を叩き落して、豪傑の片手をとるや十手を当てがっと抱えこむ。逆....
「日記」より 著者:宮本百合子
それを救おうとする英国大使の黙劇。興味あり。英の国交断絶も要するによいきっかけで
手を抜くのか? 少し気概のある外交を見たし。もうちっと、ほんとうに意義のある。正....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
確さを疑い出したものか、此までどおり明確・端正を保って居ながら、ある点に達すると
手を抜く、と言う様な手法を発見した様である。よい計画だと思うが、私の疑念を抱く所....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
御覧なさいまし。何ともいえない好《よ》い味に出来ます」小山「そうですか、やっぱり
手を抜くと碌《ろく》な事はありませんね。ところで今泡立てた白身はどうなさいますか....
「四つの都」より 著者:織田作之助
の方へ進む。先頭の者はフラ/\になっている。脚絆のとけた者がある。 庄平、その選
手を抜く。 四三 寺町。 庄平、第三位になって走っている。 その傍を自転車に乗っ....