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手を掛ける
「手を掛ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手を掛けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
もたせたわけだ。 将棋でいえば、王手はせぬが、攻め味は残して置くという手! 王
手を掛ける相手はやがて来るだろう。 陽子だ。 陽子と貴子の魅力の違いを計りな....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
》に力を入れて繰返した。 もう寝たのかしらんと危ぶみながら、潜戸《くぐりど》に
手を掛けると無造作に明く。戸は無造作にあいたが、這入《はい》る足は重い。当り前な....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
漾わせて、突出し店の硝子戸の中に飾った、五つばかり装ってある朱の盆へ、突如立って
手を掛けると、娘が、まあ、と言った。 ――あら、看板ですわ―― いや、正のも....
「わが町」より 著者:織田作之助
似の頑固者だった。 口で言うても分らぬ奴だと、しかし、他吉はさすがに孫娘の婿に
手を掛けるようなことはせず、その代りなに思ったか、君枝を河童路地へ連れ戻した。 ....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
矢のように飛び掛かって来るではないか! 「偖こそ妖怪!」 と純八は、腰の太刀に
手を掛けると、キラリとばかりに抜き放した。途端に飛びかかる蟒の胴を颯と斜めに切り....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
ちょいとお花見をして行きましょうよ。……誰も居ない。腰を掛けて、よ。(と肩に軽く
手を掛ける。) ※|慥にここと見覚えの門の扉に立寄れば、(早瀬、引かれてあとずさ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ただわなわなと震えくさる、まだ間が無うて馴れぬからだ。こりゃ、」 と肩へむずと
手を掛けると、ひれ伏して、雪女は溶けるように潸然と泣く。 十四 「....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
すでな。」 「いいえ、貴方。」 判然した優しい含声で、屹と留めた女が、八ツ口に
手を掛ける、と口を添えて、袖着の糸をきりきりと裂いた、籠めたる心に揺めく黒髪、島....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。 ト見つつ夢のようにうっかりして、なみなみと茶をくんだ朝顔|形の茶碗に俊吉が
手を掛ける、とコトリと響いたのが胸に通って、女は盆ごと男が受取ったと思ったらしい....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
早手廻しだと、小宮山はまた引返して参りますと、つい今錠の下りていた下宿屋の戸が、
手を掛けると訳もなく開きましたと申します。 何事も思わず開けて入り、上框に立ち....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
と失望の凄じさは、もう一度壁の隅の新しき洞《あな》を掘らずにはいられない。今度は
手を掛けるとすぐに、あの大きな二匹が洞外へ這い出した。彼等が屋移りしたのかと思う....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
。 「こっちもいけねえ」と喚いたが、 「ここは加賀屋か、急場のしのぎだ」 壁へ
手を掛けると身を躍らせ、飜然と裏庭へ飛び込んだ。 「誰だ!」と鋭い声がしたが、蔵....
「勝負師」より 著者:織田作之助
込んだような感想をほしいままにした個所も多い。合駒を持たぬ相手にピンピンと王手王
手を掛けるようなこともした。いたわる積りがかえってその人の弱みをさらけ出した結果....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
あかりに「横井喜久造」という標札の字が浮び出ている。 小沢、立ち停り、玄関の戸に
手を掛ける。 ┌────────┐ │ 針助の家の中 | └────....
「わが町」より 著者:織田作之助
似の頑固者だった。 口で言うても分らぬ奴だと、しかし、他吉はさすがに孫娘の婿に
手を掛けるようなことはせず、その代り君枝を河童路地へ連れ戻した。君枝は存外悲しい....