手を焼く[語句情報] »
手を焼く
「手を焼く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手を焼くの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のあまりといえばあまりに残虐な心に胸の中がちくちくと刺されるようになった。「金が
手を焼くように思いはしませんか」との古藤のいった言葉が妙に耳に残った。
そう思....
「富士」より 著者:岡本かの子
るのでこれも永い。厠神の植山《はにや》姫、水匿女《みずはのめ》も永く場を塞がれて
手を焼くそうであるという。 若い瞳がうち看守る八つの湖、春を敷妙《しきたえ》の....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たならあやまったと、すなおにいやいいんだ。だんなだっても神さまじゃねえ、たまにゃ
手を焼くときもあるんだからね。あんな着物におしろいのにおいがついているかどうか、....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
り始めましたのです。吾家《うち》では子供も殖《ふえ》る、小商売《こあきない》には
手を焼く、父親《おやじ》は遊蕩《のらくら》で宛《あて》にもなりませんし、何程《な....
「縮図」より 著者:徳田秋声
し、こっちは今まで入れ揚げた金に未練も出て来て、なかなか面倒なもので、大抵の人が
手を焼くんですよ。」 均平が懇意なダンス友達の医者に、それとなく意見をきいた時....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
の山小屋をかりるようなことにもなった。 小学校の先生というものは、父兄の襲撃に
手を焼くものである。自分の子供は特別な子供だときめこんでいる父兄がうるさいことを....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
って、それをしないでいるために、そこにあらゆる誤解が発生して、多くの男は、それで
手を焼くのだ。
若松屋惣七は、歌子が一目でお高に厚意をよせ出したらしいのに安心....
「殿さまの茶わん」より 著者:小川未明
新しく、薄手の茶わんが上がってからというものは、三|度のお食事に殿さまは、いつも
手を焼くような熱さを、顔にも出されずに我慢をなされました。 「いい陶器というもの....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
妻だと仰せられたが、嘘でござろう、分っている。はははは、お互いにな、強情な女には
手を焼くものでござるて」 何もかも呑みこんでいるような口ぶり、若いくせに、年よ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、宮中においては、想像のほかと承ります。将軍、威あり実力ありといえども、うっかり
手を焼くと、ご自身、滅族の禍いを求めることになりはしませんか」と忠言を吐いた。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
云った。 顧雍が答えていう。 「彼はついに、火中の栗を拾いに出たものです。自ら
手を焼くにちがいありません。情報なおつまびらかでありませんが、荊州の兵力を二分し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
さま」 右馬介は、われに返って。 「さぞお可愛いでしょうな。憎まれざかりで、お
手を焼くこともままでしょうが」 「ええ……」と、藤夜叉のおもては、母である以外の....