手を貸す[語句情報] » 手を貸す

「手を貸す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手を貸すの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三四郎」より 著者:夏目漱石
すぐに前へ運ぶ。わざと女らしく甘えた歩き方をしない。したがってむやみにこっちから手を貸すわけにはいかない。 向こうに藁《わら》屋根がある。屋根の下が一面に赤い....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
あてばさ。いい人でもいるだんべさ。は、は、は、‥‥。うんすら妬いてこすに、一押し手を貸すもんだよ」 「口はばったい事べ言うと鰊様が群来てはくんねえぞ。おかしな婆....
深夜の市長」より 著者:海野十三
とき不図考えついたことがあった。 「速水さん。ちょっと手を貸してくれたまえ」 「手を貸す? 何をするのかネ」 「この動坂氏を裸にしてみるのだ」 「ナニ、この人を....
石狩川」より 著者:本庄陸男
呼んでおくがよい」と彼はそのことと連絡あるかのように云いつづけた。そして、着衣に手を貸すために起《た》って近づく小間使を、「よい、よい――」と去らすのであった、....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
がそういったので、万事《ばんじ》は決った。もちろん隆夫は協力を同意したし、二宮も手を貸すといい、四方までが、ぼくにも手伝わせてくれと申出た。 四人の協力によっ....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
い分なのである。 一人の女性が否定的な環境から脱皮しようとするとき、その飛躍に手を貸す友情的な助力が結婚と同義語的に見られ得ることなのだろうか。又、男同士の友....
対話」より 著者:宮本百合子
…やったな。驚いた。俺さえ予定には入れていなかった此は一幕だ。――ついでに、一寸手を貸すかな。真実は根もない憎みや恐怖や、最大の名薬「夢中」を撒くと、同類の胸も....
魔像」より 著者:林不忘
けてそのほうらのため召し捕ってやろうとしておったところだが、ちょうど、われわれも手を貸すから早く掛るがよい」 早速|訴人《そにん》と出掛けると、聞えない振りを....
金狼」より 著者:久生十蘭
母のいる数寄屋まで逃げてゆくのだった。すると、老女は、この家には、たれ一人自分に手を貸すものはない、言語道断な不忠ものばかりだ、といって、さんざんに猛りたち、あ....
映画のもつ文法」より 著者:中井正一
、うつすものはレンズであり、描くものはフィルムである。物質が見、描くことに人間が手を貸すのである。横山大観が思いをこらして描くところの過程とは、はるかに異なって....