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手を離れる
「手を離れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手を離れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
の音が、にわかに、廟外の寒雨《かんう》の声を圧して、起った。――撒かれた紙銭は、
手を離れると共に、忽《たちま》ち、無数の金銭や銀銭に、変ったのである。………
....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ぐな。騒ぐな。逃げるものは逃がしてやるのが好《い》いのだ。」
若者はやっと彼の
手を離れると、べたりと草の上へ坐ってしまった。彼が手ひどく殴《なぐ》られた事は、....
「太十と其犬」より 著者:長塚節
から引っ懸けた犬殺しの後姿が見えなくなってから太十は番小屋へもどった。赤は太十の
手を離れるとすぐにさっきの処へ駈けていって棄てられた煎餅を噛った。太十はすぐに喚....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ら他家へ嫁入りとなって家を出た。嫁にやられるには違いはないが、あたしは円満に親の
手を離れる決心であった。だから、途中からでも逃げたい気持ちだったが、父の恥を思う....
「盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
」とデュパンが尋ねた。 「それは、その書類の性質からと、また、それが盗んだ人間の
手を離れるとすぐ現われるはずのある結果がまだ現われないことから、はっきり考えられ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いぞ!」 阿波守の意気があがるとともに、出丸曲輪の工事は成り、石垣の普請は近く
手を離れるばかり、火薬は硝薬庫にみち、兵船はそろい、家中の士気は揃ってくる。すべ....