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「手並〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手並の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
貯えの珍味とする。こういう才覚が母によって仕込まれた。女は歌垣に加わって歌舞する手並も人並以上に優れたが、それよりも、繭を口に含んで糸を紡ぎ出し、機糸の上を真櫛....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
盲でも知っていましょう。このあいだの晩、柳原でちょっとお目にかかりました時に、お手並はすっかり拝見いたしました。提灯の火でちらりとお見受け申したところ、身のかま....
食魔」より 著者:岡本かの子
大根の茹った匂いが、汁の煮出しの匂いと共に湯気を上げた。 「細工はりゅうりゅう、手並をごろうじろ」 と彼は抑揚をつけていったが、蓋の熱さに堪えなかったものと見....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
にドンという音がした。 「ケ、ケ、ケ、ケ、野郎どうだ! 金城鉄壁物かはと云う槍の手並みをご覧じろ! やい背後を振り返って見ねえ!」 云われて小四郎振り返って見....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
かだ。 十二月二十八日。初滑りの人がいるので宿の前で滑ることにする。坊城はわが手並を見ろとばかり滑ったが、スキーが雪につまずいて倒れる。スキーがつまずくので当....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
生きている地下戦車隊が、地下進撃をおこしたぞ」 これから、いよいよ、もぐらのお手並拝見である。一郎は、懐中電灯をつけて、そっと、もぐらのそばによった。 草原....
怪塔王」より 著者:海野十三
るつもりはありませんでした。 「おい、青江、いよいよこのへんで、貴様の高等飛行の手並を見せてもらうぜ」 「はい、それを待っておりました。かならず敵を征服いたしま....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
うで――それじゃかえって、憑込もうではありませんか。」 二十六 「手並を見ろ、狐でも狸でも、この通りだ、と刃物の禁断は承知ですから、小刀を持っちゃ....
獄中消息」より 著者:大杉栄
はない。したがってその間は、この方面に全力を尽さなければなるまい。 なが年のお手並みだ。これだけでも経済の立って行かぬことはあるまい。ともかく、以前のように月....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
げ、用心しながら先へ進み、竹藪の前まで来た時である、竹藪の中から声がした。 「お手並拝見してござる。なかなかもって拙者など、お相手すること出来ませぬ。先刻の平打....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
げた躯幹の小造りの少年武士が彼の方へ横顔を見せ、部屋の真中に端然と坐わり、巧みな手並で茶を立てている。見覚えの無い武士である。 利休は武士の手元を見た。と彼は....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
いが、ちょっと手強いのは袁更生だ。暗夜とは云っても黄浦河の上で堂々と汽船を奪った手並みは敵ながら天晴のものだったよ。しかも手段が支那式で滑稽味を帯びていて面白か....
剣侠」より 著者:国枝史郎
高萩の相談がある。聞けばお前さんは小川宿の、逸見多四郎先生の、直弟子で素晴らしい手並とのこと、以前から一度立合って、教えを受けたいと思っていた。ここで逢ったは何....
猟師と薬屋の話」より 著者:小川未明
山へはいれば、きつねか、おおかみか、大ぐまをしとめて、土産にするから、どうか私の手並を見ていてもらいたいものだ。」と、大口をききました。 これにひきかえて、母....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
薄墨色の女は嬉しそうに、それを掌の上にのせて見惚れていたが、 「奥様、私なんかの手並に驚いていらッしゃるようじゃ駄目ですわ。明晩の舞踏会に無論ご出席なさるんでし....