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手仕事
「手仕事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手仕事の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
子供たちにも、いざという時の準備を命じた。それも準備の必要を考えたよりは、彼らに
手仕事を授けて、いたずらに懊悩することを軽めようと思った方が多かった。 干潮の....
「霊感!」より 著者:夢野久作
い柔和で、両親の言葉に反いた事が生れて一度もないばかりでなく、女一通りの学問や、
手仕事の勉強は申すも更らなり、毎朝、毎夜のお祈りや、あの固くるしい、長たらしい説....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
固まって毎日のように、風船を貼っているのだった。それは刑務所の中での一番|華かな
手仕事だった。赤と青と黄、それから紫に桃色に水色に緑というような強烈な色彩の蝋紙....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろうなぞと語り合ったりしているところだった。 いくらかでも街道の閑な時を見て、
手仕事を楽しもうとするこの女たちの世界は、寿平次の目にも楽しかった。織り手のお里....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
案内くだされたい」 ここへ来るときは、いくら日本一の名匠だとは言っても、たかが
手仕事の工人《こうじん》、たんまり金銀を取らせるといったら、とびついてくるだろう....
「短い感想」より 著者:宮本百合子
よって、例えば職業についても遊び半分の気のすくない勤労階級の娘が、フラフラして片
手仕事に勤めている有産階級の娘より偉くなる可能性をもっているという重大な歴史の発....
「婦人の天職」より 著者:堺利彦
今日においてこそは、社会組織の不完全なるがゆえに、かようなるくだらぬことが人間の
手仕事となりおれども、将来の進歩せる社会においては、たいていのめんどうなることは....
「珊瑚」より 著者:田中貢太郎
って、家へ連れて来て他へ嫁にやろうとした。珊瑚はどうしてもきかずに、姨の傍で女の
手仕事をして生計をたてていた。 大成が細君を離縁してから、母は多方へ嫁をもらう....
「クララ」より 著者:林芙美子
したが、頼まれる先々でむつの神隱しの話をしなければなりませんでした。むつの母親は
手仕事を止めて同じことを話しました。....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
おむらい》のはずれに住みついてしがない暮しをいたしておりましたるうち、嫁はなれぬ
手仕事に精魂をつかいはたし、昨年の秋、六つをかしらに四人の子を残して死亡《みまか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
どうともままにしてくれと言ってひっくりかえれば、即座に島へぶちこんで、けっこうな
手仕事をさずけてくれる。入ったが最後なかなか出られないが、そのかわり、ここならば....
「絵画について」より 著者:三好十郎
残念ながらそれは歓迎することのできない新しさである。 これは諸芸能やいろいろの
手仕事でも同様の由、文楽、能楽、歌舞伎などはもちろんのこと、大工その他の手元の芸....
「城」より 著者:カフカフランツ
手のほかに、ベッドのすぐわきに宿のおかみが坐って、靴下を編んでいた。こんな小さな
手仕事は、部屋をほとんど暗くしてしまうほどの巨人のような彼女の身体にはぴったりし....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
この一冊は戦時中に書かれました。記してある内容は大体昭和十五年前後の日本の
手仕事の現状を述べたものであります。戦争はおそらく多くの崩壊を
手仕事の上に齎らし....