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「手付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
江戸通をたよりに、記者はその辺の往来をノソノソあるいて見た。 寿司を握っている手付きや、海苔《のり》をあぶるにおい、七厘《しちりん》の炭のよしあし、火加減、又....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お愛嬌に何か訳のわからない唄を歌って、カンカンノウといったような節廻しで、変な手付きで踊って見せる。まったく子供だましに相違ないのですが、なにしろ形が変ってい....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
醒ましたのは日暮れ近くであった。みると、寝台のそばにカムポスがいて、じつに器用な手付きでズボンを繕っている。こいつ、昨夜のあのカムポスじゃないか。してみると、じ....
島原心中」より 著者:菊池寛
次々に剖かれて行くのでした。警察医は、鶏の料理をでもするように、馴れ切った冷静な手付きで、肺や心臓や胃腸など一通り見た上で、女に肺尖カタルの痕跡があるといいまし....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
に彼女が恥かしがって、もじ/\としているだろうから旨くソレ」 婆「旦那様なんのお手付きでございますよ」 相「此奴わからぬ奴だナ、手前だって亭主を持ったから子供が....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
ようにして吸口の方を嵌め込み叩き込むのであるが、これを太鼓のばちのように振り廻す手付きがなかなか面白い見物であった。またそのきゅんきゅんと叩く音が河向いの塀に反....
貞操問答」より 著者:菊池寛
に、置いてある綺麗な小皿を、手元に下して、美和子はこの頃吸い覚えたらしい無器用な手付きで、チェリイの煙を、もくもくとただ吹き上げて、 「だって、随分目に立ったわ....
日置流系図」より 著者:国枝史郎
はようごわす。どれ用意をしようかな」 多右衛門は持って来た風呂敷包みを不器用の手付きで拡げたが、中には桑の木で作ったらしい手垢でよごれた半弓と征矢が三本入れて....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
なった鮫島大学は、グッと拳を突き出した。 「ムーッ」とこれは源三郎で、泳ぐような手付きをしたかと思うと、グニャグニャになってぶっ仆れた。 「悪い格好で寝ているよ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。 「なにの、俺は、お前の稼業は、こいつだろうと思っていたのさ」壺を振るような手付きをし、 「ソーレどうだ、袁彦道!」 「そいつあ道楽でございますよ」 「ふふ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
して見た。毒矢を使う上からはこの島の土人に相違ない。しかし私を撫すった時の嫋かな手付きを考えて見るに男のようには思われない。それでは土人の女だろうか? 「土人の....
蜜柑」より 著者:佐左木俊郎
いがんべから……」 お婆さんは床の上に起きかえって、茶碗を、両手で捧げるような手付きで、フウフウと吹きさましながら、続けて二杯も呑んだ。 「ああ、美味がった。....
昔のことなど」より 著者:上村松園
とがありましたが、その後気がつきますと西山(翠嶂)さんが莨を喫んで居られるとその手付きが先生にそっくりなのに驚いたこともあります。師匠と弟子との関係はこれでこそ....
俗臭」より 著者:織田作之助
がむずかしいのだ。少し手元が狂えば大切な白金が逃げる。春松のゴマいりを揺り動かす手付きは、見ていて惚々するほどで、しかも逃げた砂粉を再び何度も/\ゴマいりにいれ....
妖影」より 著者:大倉燁子
うに云い直した。 「ああ。貴方は何んでしょう? 私が何か物を取ろうとする時に変な手付きをやるもんだから、それを仰しゃってらしたんでしょう? しかしあれは神経痙攣....