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「手内職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手内職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
――」 こっちが押しかけてもといわんばかりに、すぐとお由が引き取って、すりなぞ手内職にやっている素姓の者とは見えないような、娘々したはにかみを見せたものでした....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って、そこで操りの衣裳の仕立てや縫い直しなどを請け負っていた。小間物屋の娘お浜も手内職にそこの仕事を手伝いに行っているので、そんな係り合いから紋作とも自然に心安....
海異記」より 著者:泉鏡花
は違えず、真黒な羽をばさりと落して、奴、おさえろ、と見向もせず、また南無阿弥陀で手内職。 晩のお菜に、煮たわ、喰ったわ、その数三万三千三百さるほどに爺の因果が....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
場の雑貨店で、これを扱うものがあって、私の祖父――地方の狂言師が食うにこまって、手内職にすいた出来上がりのこの網を、使で持って行ったのを思い出して――もう国に帰....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て苦労をし抜いて育てたが、六ツ七ツ八ツにもなれば、膳も別にして食べさせたいので、手内職では追着かないから、世話をするものがあって、毎日吾妻橋を越して一製糸場に通....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
無禄というのであるから、どの人もなにかの職業を求めなければならない。箕部の一家も手内職などをしてわずかにその日を送っているうちに、お筆の母がまずこの世を去り、つ....
ジャックと豆の木」より 著者:楠山正雄
ばかり、ある年の冬には、もう手まわりの道具や衣類まで売って、手に入れたおかねも、手内職なんかして、わずかばかりかせぎためたおかねも、きれいにつかってしまって、と....
女難」より 著者:国木田独歩
も眼の先にちらつきます。家と屋敷ばかり広うても貧乏士族で実は喰うにも困る中を母が手内職で、子供心にはなんの苦労もなく日を送っていたのでございます。 母も心細い....
火の扉」より 著者:岸田国士
手ばなした。身につける飾り物などはなにひとつ残つていない。こうなるまでに、なにか手内職でもと思わぬではなかつたが、ついふんぎりがつきかねた。やればなんだつてでき....
光は影を」より 著者:岸田国士
。 妹二人は、存外、覚悟のよいところをみせ、上の多津は、住うところさえきまれば手内職をはじめるといい、下の真喜は、学校をやめて事務員になれば、一人で食べていけ....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
無禄というのであるから、どの人もなにかの職業を求めなければならない。箕部の一家も手内職などをして僅かにその日を送っているうちに、お筆の母がまずこの世を去り、つづ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
前はすっかり文無しで、たちまち暮しに困った。どうするかと見ていると、お千鶴は家で手内職、お前はもと通り俥をひいて出て、まるで新派劇の舞台が廻ったみたいだった。 ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
いう字は、優しく柔かにしっとりと、間違いなくかいてある。どうも、このうつしものを手内職にした、その頃の、ごしんぞ、女房、娘。円髷か、島田か、割鹿子。……やつれた....
笑わなかった少年」より 著者:小川未明
。 小田のお父さんは、もう死んでしまって、ありませんでした。ひとりお母さんが、手内職をして、母子は、その日、その日、貧しい生活をつづけていました。 彼は、学....
お化けとまちがえた話」より 著者:小川未明
。せがれは、旅へ奉公にやられて、女房は、主人の留守も家でいろいろな仕事をしたり、手内職に封筒を貼ったりしていたのでした。 「おまえは、よくお隣へゆくが、おかみさ....