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手前共
「手前共〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手前共の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ていたようでござりましたが、気がついて見ましたら、もう姿が見えませんでしたゆえ、
手前共もいぶかしんでいる次第でござります」 突如としてここに疑惑の雲が漂って参....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
むというわけで、医者も手の着けようがないような始末になりましたので、主人は勿論、
手前共もいろいろと心配いたしまして、とうとう宿の方へ下げることに致しましたのでご....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た額《ひたい》ぎわに大きい皺をきざんで見せた。「なにぶんにも筋道の判らぬ一件で、
手前共もまことに迷惑している。得体のわからぬ小娘の死骸をそのまま取り捨ててしまえ....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
次郎を見ると、直ぐに云った。 「ハイ、確かにこちら様は、十時頃からつい先刻まで、
手前共においでになりました。……それはもう、家内も、他のお客さんも、ご存知の筈で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、自分たちの身の上を明かした。 「この宿に釜屋という同商売があるね」 「はい。
手前共から五、六軒さきでございます」 「すこし訊きたいことがあるから、釜屋の亭主....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たように出て来ました。 「まあ。どなたもお静かにねがいます。店のさきで騒がれては
手前共が迷惑いたします。」 口ではこんなことを云っていますが、その実は自分がご....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
んに是非お目にかゝりたいのですがね。今どちらにお出でゞしょうか」 「さあ、それは
手前共には分りませんが、お宅の方でお聞き下さいましたら」 「お宅で伺って、こっち....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が、それかと言うて見も知らぬお方様から、そのような大金頂きましては、先祖に――、
手前共先祖の者に対しても申しわけありませぬ」 「なに、では、その方の先祖、由緒深....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
どこが悪いぞ。のう永井! 石川! 年はとりたくないものよな」 「御意に厶ります。
手前共は言うまでもないこと、家中の者でも若侍達はひとり残らず、今日かあすかと会津....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
物腰でぺこぺこ頭を下げながら、素朴な口調で喋り出した。 「――左様で御座居ます。
手前共が家内と二人でそれを見ましたのは、何でも朝の十時頃で御座居ました。尤も見た....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
働いてくるる。殊に殿様お気に入りで、お手廻りの御用はすべてお菊が勤めてくるるので
手前共も大助かりだ。殿様は随分癇癖のはげしい方だが、お菊のすることは万事御機嫌が....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
がつきだすと、あれの気持は儂等からどんどん離れて行ってしまいました。……これまで
手前共の方からはあれの素性については、ただの一度だって、一切|※気にも出したこと....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
うした風のが、却って男の心を動かしたかも知れぬのだ。 「大杉様へ御参詣なら、是非
手前共へお立ち寄りを」 押砂河岸で夜船を上って、阿波村に行く途中の蘆原で、急に....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
したので。……」 「それで、二人は、座敷へ上がったのかね」 「左様でございます。
手前共でも膳の用意なども、いたして居りましたので、お二方を上席に、お由利と平太郎....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
いた。 「僕と天華堂と岩城さんと――」 この時天華堂が横から口をはさんだ。 「
手前共の店員は大抵存じて居ります。それから――、もう一人――」と云って、ちょっと....