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手前味噌
「手前味噌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手前味噌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ると、こうにらんだ手前の眼光は、やっぱりたいしたものでございますな。これはとんだ
手前味噌《てまえみそ》になりました。」
平吉はまた大きな声を立てて、笑った。さ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
で私の手を経た人は再び見破られた例《ためし》がないと云いました。イイエ是は決して
手前味噌では有りません、私が此の手術を発明して以来、牢を脱けたり、法律を逃れたり....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
たというんですね、そこを待ち構えていた刑事諸君の手でつかまっちまった。僕の手柄は
手前味噌ですから書きません。無論戸浪が犯行につかったインチキ・ピストルも発見せら....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
いる五右衡門の姿をちらりと見た。 我田引水のように聞えるかもしれないが、敢て
手前味噌を云えば、拙作「由比根元大殺記」(目下「週刊朝日」連載中)の中の立廻りは....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
をすすめるという事になったならば、作者の真意はどうあろうと、結果に於いては、汚い
手前味噌になるのではあるまいか、映画であったら、まず予告篇とでもいったところか、....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
されようがないじゃないか。騙かされさえしなかったら、どんな高慢な画かきにしても、
手前味噌の盛りようがないんだからな。」 「大きにそうかも知れんて。じゃ、そうと決....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
く迷えるものだ。これはつまり職業意識から来るロジックで、専門的であることと職業的
手前味噌とを混同してはならぬ。 批評が文芸批評に限られないという、この判り切っ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
的義務を持つものである。このことは決して選挙粛正に反するのでない」と。 これは
手前味噌だが、挙国一致=挙国主義の本質の一部を暴露している点では傾聴に値いする。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
頼朝を出し、信長を出し、秀吉を出し、金の鯱《しゃちほこ》を出し、宮重大根を出し、
手前味噌を出しているところの尾張の名古屋の城下を踏まずして、東海道膝栗毛もすさま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のは、たしかに医書であります。その医書のうちの会心のところ、道庵からいえばかなり
手前味噌になりそうなところを二三カ所、朗々として読み上げて来たのですけれど、それ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
席もあります、などゝすすめられたが、ことわる。特別の観覧席へ招ぜられて、お役人の
手前味噌の競輪談議をきかされても、何のタシにもならない。我こそは競輪の秘密を見破....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ありますから、仕事の成績はよろしくなるはずはありません。 この事情に関して少々
手前味噌のようにも聞えますが、私が実地経験致しましたことを御参考に申上げます。私....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
施すのに、丹造は幾万円の広告費を投じていることか、広告は最初の一回だけで十分だ。
手前味噌の結果報告だけに万に近い広告費を投ずるとは、なんとしてもうなずけぬ……。....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
家へはソンナ書生が日に何人も来た。預かってる原稿も山ほど積んであった。中には随分
手前味噌の講釈をしたり、己惚半分の苦辛談を吹聴したりするものもあったが、読んで見....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
髪結新三」の家主長兵衛など、いつまでも好劇家の話柄に残れり。彼は文筆の才ありて『
手前味噌』『絶句帳』などの著述あり。 ○三月、中村福助の人気頂上に達し、新富、市....